高校生よ、キミのやるべきことはたった一つ。「阿久悠」に学べ
高校生のキミがこの記事を読んで得られるかもしれない利益:おそらく作詞家として可能性がでてくる。ドン小西さんのときと同じ、時代とキミをリンクできる。もの書き、小説家として成功できるかもしれない。その他、キミのあらゆる知的活動と可能性が広がる。
阿久悠がキタ!
えっつ?このあいだ、ドン小西に学べそれだけでいいって言ったのに、今度は阿久悠?
阿久悠ってそもそも誰?
矢継ぎ早に疑問をぶつけてきたな。
阿久悠は、日本一の作詞家で、昭和の大ヒットメーカーだ。
阿久悠を出したのは、奇しくも考え方がドン小西さんと同じで、「キミと時代をリンクさせる」ことこそが、ありとあらゆる創作活動で最も重要と考えているからだ。
やはり、本物のトップは考えることも、同じなんだ、そう思わざるをえない。
阿久悠式日記でキミの人生は変わる
阿久悠を登場させたもう一つの理由は、どうやって時代をつかむか、の具体的方法を彼に学ぶためだ。
うん、もちろん僕も具体的な方法論はキミに教えたさ。
でもそれは大変だよな、もっと簡単な方法、それも言ったけれど「俺のnoteを毎日見ろ」はあまりにも挑戦的だよね😁
だから、阿久悠さんの方法論がいいんじゃないか、となったわけ。
学ぶべきは、阿久悠式の日記の付け方だ。
これで時代は完璧にキミのものになる。
ほんとうだ。
詳しくは阿久悠さんの著書を読んでもらいたいが、ここではざっと説明する。
今日は、僕の勤務先である清和大学でやっている「時代を読む方法」という授業を一部、披露する。
僕の授業はアクティブなんだ。キミたちに実際にやってもらいながら、心と身体で学んでもらうスタイルだ。興味があれば一度清和大学に遊びにおいで。
さて阿久悠式、時代の読み方はさっき言ったように日記をつけることだが、阿久悠さんのやり方をまず説明しよう。
基本的にはキミはお家で新聞、テレビ、インターネットを見ることだ。
そして夜11時頃になったら、それをベースに日記をつけるんだ。
その日記にはいくつか書き込む項目が決まっている。それを書いたら、一日をキミがインプットした情報をもとに「短歌」でまとめる。これだけだ。
ポイントは、毎日書くこと。時代は書いてから1年位して、読み直すと「わかる」よ。
これが阿久悠式、時代とキミをリンクさせる具体的方法論だ。
授業で使うパワーポイントの図でまとめてみようか。
これはあくまで阿久悠さんが採用した、時代の読み方だ。キミはキミのやり方でやればいい。
阿久悠日記でどうして時代が読めるのか
基本的な考え方は、時代はたったいま、この時には見えない、わからないということだよ。
時代はある時間的な区切り、例えば1年、3年、5年などのはっきりした傾向を意味するから、それをつかむためには、時間の経過を記録して、後でチェックするしかない。それが日記という手法だ。
なぜ、天気や株価やスポーツの結果を書き入れるのか。
阿久悠さんはあまりそれには触れていない。以下、僕の想像で書くよ。
天気は場所によって違う。でも時代を描写するのに欠かせない情報なんだ。例えば地震が起きたり、台風が起きたりすれば、時代の様相は大きな影響をうける。晴れや曇りという天気だって、時代と関係しているんだ。
株価を入れるのは、経済情報がこれに集約されているからだ。
僕だったら、為替レート、円ドルレートを入れるな。できれば1年間棒グラフにすると、経済がもっと明らかに読みとれるはずだ。
スポーツは阿久悠が大好きだから、入れているだけだ。
阿久悠は甲子園のうた、というスポーツ新聞での連載を持っていたくらいの高校野球ファンだった。スポーツの諸相から、時代をうかがうという狙いが感じられるね。
新聞、テレビなどから最も心に残った出来事を書く、のはどうしてか。
そこに時代が躍動しているはずだからだ。
キミの感性がここで働く。キミが時代をとらえるんだ。
最後の短歌を創る意味はこうだ。
短歌とは、キミの見たこと、感じたことの”凝縮“だよ。
よけいな情報を切り捨てて、キミが感じた時代のエッセンスが、キミの感性がキミが創る短歌を通じて表現される。もちろん文学的な出来、不出来などは関係ない。創ることに意義がある。
わかったかい。
でも、実際にやってみると、もっとよくわかるよ。
阿久悠はこの日記を30年続けることで、時代を、栄光をつかんだんだ。
人々に愛されるうたを創るためには、時代を心と身体で掴む必要がある。
日記を通じて阿久悠はそれを掴んだ。そして、それを言葉で紡いだ。
それがことごとく大ヒットした。
阿久悠の膨大な作品一つ一つが、彼の「時代を読むことこそが、あらゆる創作の根本である」ことがわかるだろう。
大学で阿久悠をどう教えるか
キミもこれを100日続けてご覧よ。キミは、誰にも負けない作詞家や、クリエイターになれるかもしれない。
僕は実際の授業では、次のワークを行う。
1. 阿久悠式日記作成ワーク
① 昨日の新聞を僕が人数分用意し、キミたちに読んでもらう
② 昨日の出来事をまとめたニュース映像を見てもらう
③ 阿久悠式日記を1,2をベースに作成する
2.歌謡曲実習
①河島英五「時代遅れ」に書かれた、阿久悠の詩をみんなに読んでもらう。
②次にその詩が展開されている実際の曲を聞いてもらう。
④ その時代に関係する映像を流す。
⑤ 阿久悠の方法論がどれだけ効果的かを判断してもらう
いずれの方法も、ゴールは、自分独自の時代の読み方を発明することにある。
授業では、みんなでああでもない、後でもないと言い合って議論ができれば最高だ。
議論に加わったものは必ず、なにか気づくんだ。
これは、作詞にも、小説執筆にも、マーケティングにも、いやありとあらゆる創作、知的活動に抜群の効き目がある、僕もこの方法論をやってみて実感している。
キミも一緒にやってみないか。
参考に、もう2,3枚パワーポイントの絵を貼っておくね。
今年も残りあと1日、元気で過ごしてくれ。
また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー