バイデン再選へのアドバイス。「ラグビーを持ち上げろ」。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:ラグビーW杯にみる、ラグビーというスポーツの可能性。なぜ、リーダーはスポーツを味方につけないのか。バイデン楽勝の遅すぎるアドバイス。
もしもバイデンが・・
仮にバイデンが来年大統領選でトランプに破れたら、一つ大きな後悔をすると思うんですよ。
それは、ラグビーを米国の5番目のメジャースポーツにしなかったことです。
ラグビーファンを味方につけておけば、大統領選なんて楽勝だったのに、というのが僕の見立てなんです。
皆さんはラグビーW杯をご覧になりましたか。
そう、LGBTQの時代だから、これを申し添えなければ。
男子ラグビーです(笑)。
いまや男子ラグビーW杯は、観客数、スポンサードする企業の数において、FIFA主催W杯サッカー、オリンピックについで世界第三位の規模を誇るスポーツ競技なのです。
スポーツの熱をチカラにしろ
政治家も、企業も、そしてあなたも、もっとスポーツのパワーをとりこんだらどうでしょう。
あざといけれど、スポーツはこの世に残された唯一の、誰もが文句を言わないブランドの孵卵器なのです。
つまり、スポーツを利用して、イメージを高めても誰も「あざとく人気とりやがって」などとは非難しない、ということなのです。
それほどスポーツの熱狂は、純粋で人の心を打つチカラをもっているのです。
狙い目は、ドラマとストーリーのある旬なスポーツです。
それが男子ラグビーです。
今回のW杯、肉体一つで、屈強な男たちがボールを介してぶつかり合う様は、コロナや戦争で疲弊した世界を大いに元気づけたはずです。
スポンサードさえすれば、その感動の恩恵にあずかれるのです。
結果として、企業の大きなイメージアップにつながります。
それも、W杯の舞台というシチュエーションが加われば、企業のスポンサードの代償にグローバルな広がりという付加価値が加わります。
ペプシコの正しい戦略
2919年だったと記憶していますが、ペプシコーラという旗艦製品を擁するペプシコが、NBA(全米プロバスケット協会)の公式飲料の座を、コカコーラから取り上げました。
これをきっかけにペプシコは躍進をするのですが、それはペプシコの「スポーツを戦略の中心に置く」という考えが正しかったことを証明したのです。
どんなイノベーションよりも、製品をスポーツに、それも人々の感情を掻き立てるドラマというストーリーを創ることのできるスポーツに委ね、紐付けることこそが、最高のマーケティングである、これがペプシコの信念なのです。
スポーツは人間社会にあって、唯一無二の感動、ドラマ製造機であり、それはテクノロジーがいくら発展しても、その地位は脅かされません。
いや、AI時代だからこそ、人間の心身の鍛錬だけで生み出す力と技の芸術の価値は、ますます輝くのです。
アメリカの間違った国家スポーツ戦略
「何たる暴言。世界のスポーツ大国アメリカ様に頭か高い、控えおろう!」読者の皆様はそう憤慨されるでしょう。
でも、そこなんです、冒頭のバイデンさんの件も、これに関連します。
僕が何をいいたいかと言うと、アメリカは国家戦略として、もっとグローバルな視野でスポーツを捉えるべき、ということなんです。
確かにアメリカ人に限りませんが、国民にはスポーツに関して独自のテイストがありますよね。
アメリカの4大スポーツは、野球、バスケ、アメフト、アイスホッケーですが、国民の大半がこの4つのカテゴリーに夢中ということです。
しかし、グローバルな視点からは、野球はマイナーだし、アイスホッケーは季節スポーツという弱みがあるし、アメフトに至ってはアメリカのローカルスポーツにすぎません。唯一の例外はバスケです。
アメリカ人のほとんどが、ラグビーW杯が世界で最も商業的に成功しているスポーツイベントである、なんて知りません。
MLBは、遅まきながらグローバルに野球を広げようとしていますが、野球を世界のメジャースポーツにせんとするWBCというイベントへの、非協力的な態度を見る限り、その本気度には疑問符が付きます。
リーダーはスポーツの後光をもらえ
バイデンさんは、ラグビーファンで、自らもプレイヤーとして活躍した過去をお持ちです。
でも、アメフトファンに遠慮してか、ラグビーへの思いをあまり表に出しません。
アメリカでは、でも、ラグビーは急速に成長しているスポーツなのです。
全米に2500のクラブがあり、10万人がプレーしています。
バイデンさんが動けば、ラグビーは第5のスポーツになり得たはずで、その関係者はすべてバイデン票に変わったはずなのです。
世界ラグビー機構会長などに、名乗りを上げれば、バイデンさんのイメージはグローバルに広がり、有形無形のパワーをまとうことになったはず、です。
AIが簡単にフェイク情報をでっち上げる時代です。
これからのリーダーは、ますます、リアルな人気が必要です。
かしこいリーダーは、スポーツの威光にあずかるべき、です。
野呂 一郎
清和大学教授
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?