日産自動車、職種別採用の先進性(就活生向け)
この記事を読んで大学生のキミが得られるかもしれない利益:日産の職種別採用はうまく行っているのか。自動車ビジネスとは何か。EVの時代は本当に来るのか。大学の人的資源管理授業実況中継だよ。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3ONpLl3
日産の職種別採用とは
大学の授業に動画は当たり前だが、それは戦略的に、タイムリーに使ってこそ意味がある。
基本、動画を使うときは最新のものを使うが、もろもろの事情でそれができないことある。
その時は解説をしっかり加えることが必要で、補足もしっかりやらなくてはならない。
今日の講義がそれだ、日産の人事担当者が日産独自の「職種別採用」を説明しているもので、ビデオは数年前のものだ。
(ビデオを見せる)
概要はこうだ。
さあ、次に日産のキーワードをあげて、この人事の方の説明を解説しよう。
1. アライアンス(allignance 提携)
これは言うまでもなくフランス・ルノーとの提携のことだ。
当時の会長のカルロス・ゴーンさんはルノーのCEOも兼ねていた。
ルノーは当然のことながら、ジョブ型人事システムだ。
海外の大手企業とアライアンスをやっておきながら、人事システムは日本のメンバーシップ型のままというわけにはいかない。
ある意味では、日産はグローバルにしっかり対応しているともいえる。
2. 総合職
総合職とは80年代に女子に対して、企業が門戸開放した象徴として用いた概念だ。
それまでは女子は「お茶くみ」などと揶揄されて、キャリアプランはおろか、結婚までの足掛け労働力とみなされていたんだ。
総合職とは、男子と同等の就業機会を与えられることを意味する。
また、女性の社会的ハンディなどは無視し、男と同等に扱うことを企業が宣言したとも、とらえられる言葉だ。現在の基準から見ると、ジェンダー平等という点で問題がある。
日産は、しかし、今回は総合職をそういう文脈では使っていない。
職種別とは真逆の、メンバーシップ型の雇用形態を総合職といっている。
3. 自動車ビジネス
あらゆるビジネスには「不易と流行」があるんだ。
変わらないことと、変わることさ。
自動車ビジネスにおいて変わらないことは、クルマはすたれないということだ。
人やモノを移動させる手段として車はなくならない。
変わるのは、その形態だ。
エンジン車がEV(Electronic Vehicle電気自動車)におき変わりつつあるのはキミも知っての通りだ。
自動車ビジネスとは、装置産業だ。
装置産業とは製造におおがかりな施設、機械、が必要な産業のことだ。
だからひとたび受注が減ると、大きな打撃を受けやすい。
フォードやGMは、しょっちゅうレイオフ(一時解雇)もやっている。
産業のすそ野が広いのも、自動車産業の特徴だ。
下請け、関連会社、部品製造会社など、数えきれない会社が自動車産業を支えている。
自動車産業は国の基幹ビジネスだから、銀行と同じく政府がピンチのときには税金で救うことが通常だ。
中国やアメリカは、2030年までに国産車の半分をEVにすると言っている。
これは地球温暖化対策だ。
ガソリンで動くエンジン車は、排気ガス、温暖化ガスを排出して空気を汚すだけじゃなく、地球を暖めてしまい、気候変動の大きな要因になるとされている。
でもこれからどうなるだろうか。
欧米各国は、ロシア制裁で天然ガスや石油が手に入らないので、エネルギー不足が国家の喫緊の課題だ。
冬を越せないのに、温暖化がどうのなんて言ってられない、それが現実だ。
戦争でウクライナは原発等エネルギー供給基地を破壊されて、電気が激しく不足している。
持ち運びが可能で、そうした攻撃の影響を受けない石油の良さが見直されている。
はたして、電気自動車はエンジン車にとってかわるのだろうか。
現状じゃ、とてもとても、だ。
さて、職種別採用は日産で20年をかけて、根付いてきた、らしい。
しかし、どの部門で働こうと、自動車の未来を見通す力が必要なのと、常に新しい改革を提案、実行することのできる若者が求められているんじゃないか。
配属部門関係なく、勉強しろ、と言いたいね。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー