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明日から木に抱きつけば幸せになる

木の時代が来た

この連載はグローバルなリーダーとはどうあるべきかを考えることが趣旨ですが、それはポストコロナの時代を考えることでもあります。そんな中、「来たか!」と思える記事に出会いました。

それは「木」です。

The Wall Street Journal2021年6月21日号A11面の見出しは「木と友だちになることの恩恵」です。

記事の概要:コロナで疲弊している人間を真に慰めてくれ、精神の深い旅にいざなってくれるのは木々である。「木と友達になろう!」。ということで様々な専門家からの科学的な洞察が加えられています。

内容を一部ご紹介しますね。

コロナが教えてくれた「木は人生の達人」

私達はパンデミックからやっとはいでてきて、感情的にまだグラグラしている。怒り、悲しみ、ストレスに苛まれ、また競争の毎日がやってくると思うといたたまれない気持ちだ。我々に必要なことは、木々と親友になることだ。

彼らには教わることが山ほどある。厳しい年月を生き延びてきた、いい時代も生きすくすくと成長もした。木々は、長期的に物事を見ることの大事さを教えてくれる。

彼らはリジリエンス(resilience困難にうまく対応できる能力)の天才であり、長い冬に耐えて春に花を咲かせることを知っている。木々は寛容で他の木々や植物と養分を共有し、クリーンな空気を排出している。彼らはどうやって上手に年をとっていくかを知っている。

ベイヤン2

木が教える”畏怖”をマスターせよ

木を前にすると人は畏怖の念にかられます。畏怖とは我々のものの見方を大きくし、時にそれに抗うようななにか巨大なものに対しての感情的な反応のことを言います。それは我々が今感じているやり方に対しての完全な解毒剤であり、癒やしへの道なのです。

カリフォルニア大学バークレー校の心理学教授でGreater Good Science Center の所長でもある Gachr Keltner 先生は畏怖について研究している。

彼の研究によれば、畏怖はストレスや怒りの高揚を抑え、メンタル                                                                                           なざわめきを鎮め、脳の機能のデフォルトモードを不活性化することで、我々の関係性を改善し、サポートされているという気持ちを高め、共感をより感じさせ、ギラついた欲望をおさえるという。

畏怖の念を抱くことは、とても人生に役にたつ、Kaltner氏はそう話す。

氏は、1日8分から10分、木と触れ合うことをすすめる。週に一度でも、効果があると言う。リサーチによれば木々との時間を過ごせば過ごすほど、畏怖に対しての能力がついてくるという。

木と友だちになろう


そうしょっちゅう山やビーチにでかけたり、森林浴に行けませんよね。

行けば、気が教える最大の教えである、畏怖を味あうことができますが。もっと簡単なのはあなたのおうちの近くの木に行くことです。

樹皮に枝に、幹に触りなさい。

何度も繰り返すほど、あなたは畏怖を理解する能力が上がってきます。

ブリティッシュコロンビア大学の森林エコロジーのプロフェッサーであり「ファインディング・ザ・マザーツリー」森の地図を発見するという副題がついた本の著者であるSimard 博士は、「人間たちがおろかなことをしている間でも、木たちは他者と平和的に共存している。彼らは堅実であり、予見できる存在だった」と話しています。

オレゴン州ユージーン在住のサイコセラピストでエコセラピー(自然を治癒に利用する)Patricia Pachさんは木と友だちになる方法を伝授する。

1. まずあなたの木を選ぶ
2. そばに座り、大きく深呼吸する
3. どうしてこの木に惹かれたのかを五感すべてを使って考え、気づく
4. 定期的に木を訪れる

常に木に感謝し、ゴミを拾うことを忘れずに

このプロセスであなたは自分より巨大な何かに所属する感覚を育てられる、という。

シカゴ在住のある芸術家は、木とのふれあいを次のように語っています。

「木は私を、何か私以上の大きい何かに結びつけてくれる気がする。それは超越した感覚だ。もし木が私に話しかけているなら、それはきっと『大丈夫だよ』」と言ってる気がする」。

木が持つ無限の可能性

以前、気功をやっていたことがあるんですが、木に手のひらを当てて、そこから木の精気をもらう、というトレーニングをやったことがあります。本当に木のエネルギーが入ってきて、逆に木が僕の邪気を吸ってくれたような気がしたものです。木にはなにか素晴らしいエネルギーがあるに違いありません。

コロナで人類は心身ともに、そして魂までも疲弊しました。

木と友だちになることは、単に木のエネルギーを取り込むとういことだけでなく、本文中にもあった木の生き方から学ぶ、ということじゃないかと思います。

長期の視野とか、超然とした生き方とか、他者と協調する姿勢など、コロナという存在を脅かされた試練をへて、やっと人類は最も身近な友人の存在に気がついたのではないでしょうか。下の写真は日本最大のバンヤンの木、です。何か感じますか?

日本最大のベイヤン

ビジネスに木を使いたくはありませんが、エコセラピーだとか、森林浴セミナーだとか、無限に出てくるでしょうね。しかし、自然に学び、癒やされることは、今後の社会人教育のお大きなヒントになることでしょう。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

また明日お目にかかりましょう。

                             野呂 一郎

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