学生スポーツ・ジャーナリズムを盛り上げろ!
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:学生スポーツ・ジャーナリズムという可能性。アスリートを取材し、アスリートが取材されることの意味。学生スポーツジャーナリズムが付加価値を持つためには。
肩書自慢
ボクには、自慢したい肩書があるよ。
それは、「新潟プロレスマガジン編集長」という肩書だ。
新潟プロレスマガジンとは、会場で配るパンフレットのことだ。
かつては有料で売っていたけれど、近年は来場者全員に配るようにしている。
とはいっても、もう一年も発行してないので、開店休業状態なんだけれどね。
弱小団体のパンフレットと言っても、マガジンを名乗る内容は、ある、と思っている。
あのプチブレイクした(笑)「プロレスの経済学」の著者が編集長なんでぃ、面白くないわけがあるまいが」というプライドだけで15号まで発行してきた。
こんなのも書いてるよ(宣伝)(笑)
さて、今日はつまらない自慢から始まったけれど、今日のテーマは学生スポーツ・ジャーナリズムなんだ。
なんでプロレスをだしたかって言うと、あくまで自称であるけれどプロレス・ジャーナリストの端くれにいると思っている僕の原点が、学生スポーツ・ジャーナリズムだからだ。
バスケの記事を書いてたよ
今働いている清和大学に来る前は、僕は新潟県にある某大学につとめていた。
そこで一生懸命にやっていたことは、授業でも研究でもなく(笑)、学生スポーツの取材だった。
大学の男女バスケ部、サッカー部を取材し、大学のスポーツ新聞に記事を書いていたんだ。
まあ、僕だけしか書いてないから、取材記者と編集長を兼ねていたといっていいだろう。
もちろん、普通には書けやしない。
経営学者、だからね、差別化を考えるべきだからだ。
試合の事実を、スコアを乗せて写真を入れて終わり、なんてことはもちろんしない。
でも、勝手に創作する訳にはいかない。
取材の王道を守ることにした。
取材は日頃の練習を見ることから始まる。
そこで選手の表情やプレーを見る。気合が入っている選手に、調子を聞く。
試合当日は、アップからカメラとペンをもって、気になる絵を撮り、選手に声をかける。
試合はじっくり見るが、ペンはずっと走らせたままだ。
試合後はすぐに駆けつけ、選手の様子をじっくり観察する。
試合後すぐは、感情が高ぶったり、他人に表情を見せたくない学生も多いので、インタビューは遠慮する。
2,3日してほとぼりが冷めた頃、試合のキーマンたちに「あれはどうだったの?」などと取材が始まる。
記事は取材と並行して書かなくてはならない、締切があるからね。
もちろん、面白おかしく書かなくてはいけない、いやそんな必要はないけれど、新潟プロレスマガジンとまったく同じだ、「ありきたりのメディアなんかで、いいわけない」、と、独自の紙面を目指した。
そのうちに、バスケ部の学生が、僕の記事を楽しみにしてくれるようになった。
自分の書かれているパートを、知り合いに見せる選手も出てきた。
綾瀬はるか命のSくんは、そのことを書かれ、「聞いてないよ」といいながら嬉しそうにしてたっけ。
でも女子はそうは行かない。
一回、筆が滑って創作物語になったときは、「あたし、そんなことやらないもん」などと怒られた。
シュートを外した時に、ラーメン10杯やけ食いしたという記事がお気に召さなかったようだ。
以上、学生スポーツを取材する側からの、「学生スポーツジャーナリズム論」の概要だが、こうした活動によって取材側、取材される側つまり学生たち双方に、以下のようないいことがあったことに気づいた。
学生スポーツを取材するメリット
1.学生のモチベーションにつながる
僕はエースだけじゃなく、ベンチの選手にも取材をかけたし、むしろ目立たない選手に取材をすることが多かった。
縁の下の力持ちの秘密を暴くことで、新しい学生スポーツジャーナリズムができるんじゃないかという、スケベ心があったからだ。
取材すると、学生は自分が肯定的に捉えられていると感じるらしい。それだけでも選手はポジティブに変わる。
2.学生がことばを選ぶようになる。
取材されると、それが活字になることを学生は理解するようになる。そうすると、下手なことは言えず、活字になることを意識して、話すようになってきた。
一流スポーツマンは自分の言葉が、紙面に取り上げられることを意識する。
どマイナーかも知れないが、こちらとて新聞の端くれだ。プロも学生も関係ないのだ。
3.選手の技能アップに貢献する
例えば、選手のプレーをほめる、取材で隠された善行を暴く。
そうすると選手はいい気持ちになり、自分の長所を意識し、伸ばすようになる。
そんな風に感じてくれるようだ。
これも取材のポジティブな効果だ。
4.広報効果
新聞だから、色んなところに配布され、様々な人の眼にとまる。
こっちは「フツーの学生スポーツ新聞にしてたまるか、最低でも最高でも金だぁ」などの気合でやっているから、今までの新聞より読まれ、反響がある。
学生のことが知れ渡るようになると、学校の知名度も上がる。
アララ、シンデレラの時間だ、あと5分で出さないと、連続781日記録が死んじゃう。
noteにかまけるよりも、今の大学でスポーツ新聞活動をやった方がいい、かも・・
それではとりあえず、今日はここまで。
野呂 一郎
清和大学教授