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人事に読んでもらいたい拙著ニ冊。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:経営学をやっている者にとって、自著を読んでもらえるのはうれしいもの。でも企業の人事に読んでもらえるのは、至福。調子に乗っていうけれど、この2冊、人事のバイブルにする価値あるんじゃあ? いや、言ってみただけ、だって。

「プロレス」で経済を勉強?って

拙い本を何冊か書いていますが、一番嬉しかったことは、企業の人事に読まれて、あまつさえ高い評価を受けたこと、です。

えーっつ、お前のヘタレ本を「いいね!」なんて言ってくれる企業がいるのお、と懐疑的な声が皆さんの間から聞こえてきました。

僕もそう思うんですよ。

でも、今までにそんな信じられないことが2件あり、日本企業の人事管理という大事なことに関係するので、我田引水を顧みず、お話しますね。

その1件目は「プロレスの経済学」です。

もう20年も前の話なんですが、ある大企業の人事部長から、こんなメールが入ったんですよ。

「貴殿の『プロレスの経済学』拝読しました。つきましては、この本をテキストに我が社で研修をやっていただきたい」という内容だったのです。

えーっ、日本を代表するM社が、なぜまた「邪道経済学」に手を染めたいのか、正直そう思ったんで、「なぜ、やるんだ?」と、聞いたんですよ。

そうしたらその返答が振るっていて、思わず笑っちゃったんです。

若手社員の頭を柔らかくしたいから」。

ふーん、プロレスで経済っていうのが気に入ったのかな、いちおうそう納得して、1日研修を引き受けたのです。

当日、M社の研修ルームは、時に無理筋と思われるプロレスと経済のドッキング映像、図表に占領されました。

今だと、恥ずかしくて、また小利口になりすぎてとてもできませんが、当時は「盲蛇におじず(差別用語ごめんなさい)」だったのです。

しかし、事後のアンケートをみると、圧倒的に支持されており、ある程度「若手社員の頭はやわらかくなった」ようでした。

嬉しかったのは、さすが日本を代表する大企業、僕の本を受講者の300人分買ってくれたことです。

HRMとは何か

もう1件は、コンサルタントをやっている友人からの報告でした。

「おい、今日企業にコンサル入ったら、人事の本棚にお前の『HRMとは何か』が並んでたぜ。聞いたら、人事部員の必読書なんだってよ」。

企業からの研修の依頼はありませんでしたが(笑)、企業の人事に読まれて、評価されていると聞いて、無邪気に喜んだのです。

この本は、プロレスの経済学よりも更に前に発売された本で、HRM(Human Resource Management人的資源管理)を日本で最初に紹介したものです。

いまでこそHR(エイチアール)という言葉が、人事を意味することは常識になっていますが、当時は労務管理とか、人事管理という言葉が一般的でした。

労務管理とHRMはどう違うのか、主にアメリカにおける歴史の経緯と経営の変遷を紹介しながら、詳述したのがこの「HRMとは何か」でした。

プロとしての見せ方

実は、今日のこの記事、もろに我田引水なんですが、実は今日の授業のテーマが「日本企業の終わっている、時代遅れの人事」でとりあげたんですよ。

つまり、「あれ?考えてみれば、局地的にではあれ、俺の本を評価した企業があったにはあったなあ。これ、一応プロの見せ方として使えないかなあ」などと考えたのです。

大企業Mが言うように、日本企業の一大欠点って、「融通が利かない」ことでしょ、Mの人事部長の言葉を借りりゃ「頭がカタイ」ってことだよね。

それって「プロレスの経済学」で、なんとかなったじゃない。(なってない、なってない、って!)

あと日本企業の人事に足りないものって、HRMじゃない。

つまり「ひとと環境にやさしい人事」であり、『HRMとは何か』はその「なぜ」を解説しており、企業人事の合言葉DEI(Diversity, Equity, Inclusion)多様性、公平性、包摂性の原点を示唆してるって意味で、必読書って言っていいんじゃね。

つまりこのニ冊こそ、日本企業の2大欠点である、融通性と国際性のなさを克服する特効薬だと・・・・

案外オレも、いいこと書いてたんじゃ・・・

いやいや、冗談ですってば・・・

ただ、申し上げたように、僕も経営学のプロの端くれ(と自分で思ってるだけですが)、
「日本企業よ、人事改革にはこの2冊!」なんてキャッチを言ってもいいかな、と考えるのです。

思い込み、いや、自信が大事じゃー(大仁田厚の口調で)

https://x.gd/ggY9h

でも、「ハッタリ」も専門家を自認するあなたには、必要ですよ!

野呂 一郎
清和大学教授


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