ウクライナ戦争終結のヒント?ヒッチコック幻の名作「サボタージュ」。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:パッション(passion情熱)こそが世界を変え、戦争を終らせるという事実。そのためには動詞でコミニュケーションすることが大事だということ。シンプルで簡潔な物言いを心がける大事さ。リーダーとは何か。
88年前の奇妙な符号
今日のThe Wall Street Journalオンライン版にすごく面白いことが書いてあった。それはなぜ、戦争が終わらないか、ということに関してなんだ。
その理由は「情熱がないから」。
要するに、世界のリーダーが本気で戦争を終わらせようとしてないから、だと言うんだ。
この記事の作者は脚本家で、この戦争をヒッチコック原作の1936年に制作された映画サボタージュ(Sabotage)を引き合いに出しているんだよ。
この映画は日本では劇場未公開のようで、ウィキペディアでちょっと調べたんだけれど、なにか頓珍漢なことを言っているので、内容はThe Wall Street Journalに頼るしよう。こんなストーリーなんだ。
舞台はナチスのヨーロッパ侵攻で、まさにロシアによるウクライナ侵攻とシンクロする。
ナチスの破壊工作員がイギリスに潜入して、爆破工作でイギリスを破壊し、ナチス全体主義の国に仕立てようとする。
全体主義vs資本主義の戦いで、まさに今回のロシアvsウクライナの共産主義vs資本主義(ウクライナを西側とすると)をほうふつとさせるね。
クライマックスのシーンでナチスの工作員が(ヒッチコックはナチスとは言ってないが)「全体主義は資本主義より優秀だぞ」と主人公ケインに扮する俳優オットー・クルーガー(Otto Kruger)に嫌味たっぷりに言い放つと、ケインがかっこよく、こう反論するんだ。
ウィー・ウィル・ウィンがない今の政治家
要するにこの記事は、ヒッチコックの名作を引き合いに出して、今の政治家の腰抜けぶりを嘆いているんだよ。
この主人公のケインの「ウィー・ウィル・ウイン」を、世界のリーダーは誰も言わないじゃないか、と怒っているんだ。
この記事のタイトルは、
Biden Should Say ‘We’ll Win’
(バイデン、おまえが「ウィー・ウィル・ウィン」って言えよ)
なんだよ。
役者に学ぶコミニュケーション
この記事の作者はこんな考察もしているんだ。
「ゼレンスキーは役者だから、短いシンプルな言葉で相手の感情を動かすすべを知っている」、と。
1987年に米大統領に就任したロナルド・レーガンも、元俳優で、作者はレーガンとゼレンスキーの共通点は、それだ、と指摘している。
ベルリンの壁崩壊には、当時ソ連のゴルバチョフ書記長が、関わっていた。
レーガンはこう言った。
“Mr. Gorbachev, tear down this wall”
「ゴルバチョフさん、壁を壊してしまえよ」
この情熱を込めたシンプルなことばに、独裁国家は動いた。
ロシアの侵攻が始まってまもなく、欧米がゼレンスキーを国外に避難させようとした。
そしたらゼレンスキーはこう言ったんだよね。
“I need ammunition, not a ride,”
(「ほしいのは武器だ。俺を迎えに来る飛行機じゃない」)
ゼレンスキーのリーダーシップ解剖
きょう僕が高校生のキミ達に言いたいことは、「ウィー・ウィル・ウィン」の意味、そしてゼレンスキーから学ぶものはある、ということだよ。
彼のシンプルな言葉はすごく効く、ということだ。
それは、この前言ったように「動詞で話せ」ってことだよ。
でもそれ以上に大事なのは、情熱、だ。
シンプルで胸に刺さる言葉づかいができることも、絶対に必要だ。
情熱を持って、動詞でシンプルに話すこと。
これが世界を変えるリーダー、なんだ
最後に、この記事の作者の脚本家はこんなことを言っていたよ。
「政治家も、口先だけのごまかし上達に憂き身をやつすんじゃなくて、こうした映画のワンシーンから、情熱やほんとのコミニュケーションを学べよ」。
この映画、見たくなったな。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとう。
では、また明日キミと会えるのをを楽しみにしている。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー