松本清張&どらえもんに学ぶSNS時代の作法。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:その意見がいくら正しくても相手を少しでも不快にさせる書き込みは、その人の社会的立場を危うくする愚策だ。松本清張、そしてどらえもんに今こそ耳を傾けよう。
松本清張、成功の秘密
やはり人間、成功するには攻めだけじゃなくて、守りが重要です。
松本清張さんの成功は才能、努力、運だけでなく、ある”守り”の心がけがあったからです。
きのう紹介した「松本清張 対談集」にそのことをうかがわせる記述があります。
聞き手の佐野洋の巧みな誘導で、江戸文学の「捕物帳」が「面白くなくなった」と本音を漏らしたあとに、清張はこういったのです。
「実例を出すと、いろいろ差し障りが生じるからね」。
SNSで批判や中傷をする愚
僕も最近よくありますよ。
「そうじゃない」とか「共感しない」とか、言ってくるのです。
何を言ってもいいのですが、ご自分の守りという点でこれは「愚策」だと思うのです。
それは、まさに清張さんがいうように「いろいろと差し障りが生じる」からです。
ざっとまあ、こうした「差し障りが生じる」ことは明らかです。
学会の討論版や、研究発表そして反論を奨励するような議論のコミニュティであれば、別です。
しかし、noteのような「書くという行為をポジティブにとらえようとする理念を共有する場所」で、相手の人格を傷つけるような物言いは、百害あって一利なし、自分の人生に明らかなマイナスをもたらします。
そもそもおかしくないですか、顔見知りでもない人の家に突然やってきて、いきなり家人を怒鳴りつける心情は。
そういうことをしがちな人は、いま自分を顧みないと、いずれ現実社会でも同じことをしますよ。
リアルとネットの差がなくなった現代社会
noteも含めてですが、ネットだからと、いきなり挨拶もなしに土足で相手の家に入って、「お前の意見は違う」「気に入らない」と、がなるひとがいます。
ことばは悪いけれど、上記に鑑みて「バカだなあ」と思うんです。
それは、自分の首を絞めるだけの行為だから、という以上に
「今の世の中を知らない」という決定的に重要な常識に欠けるからです。
現代では、現実社会とネット社会のルールはまったく同じなんです。
礼儀もルールも、常識も。
このことがわかってない人は、絶対に成功はできない、そう断言します。
ドラえもんで行こう
先日、どらえもん、いやその声の主、大山のぶ代さんが90歳で、天に召されました。
彼女のこんなエピソードが、朝日新聞に紹介されていました。
それは、こんなことでした。
ジャイアンの台本にあった「バッキャロー」が「のび太のくせにぃー」に変わっていた」、というのです。
大山さんは「未来から来た猫型ロボットは、悪い言葉を使わない」と考えた、というのです。
「幸せな世界をずっと見せ続けている作品」だから、覚えやすい悪い言葉をドラえもんに使わせない、とセリフを変えてもらった、というのです。
僕も、これからはリアルでもネットでも、「どらえもんの言葉づかいにしよう」と決めました。
野呂 一郎
清和大学教授
野呂一郎プロフィール