
真夏の怪談シリーズ2 超能力経済とは何か?
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ユリゲラーの成功をもたらした”超能力経済”を解明する。チャットGPTvsユリ・ゲラー、もし戦わば。現代に蘇るユリ・ゲラー。
超能力経済とは何か?
それは超能力”の真偽とは関係なく、人々の隠された願望と、金儲けの野心が”あいまって生まれる”超能力ブーム”というバブルのことである。
ユリ・ゲラーこそが超能力経済を初めて創った。
それは、人々の中に眠っていた超能力願望を呼び覚ましたからだ。
そして人々は意識的、無意識的に「これはカネになる」とピンときた。特にその感覚にすぐれていたのが日本人だ。
1973年英国BBCで放映されたスプーン曲げを、翌年すぐに日本に持ってきて、テレビで放映させ日本に初めて超能力経済をもたらした。

諸外国と日本では、ユリ・ゲラーの扱いが少し違う。
日本では、ユリ・ゲラーは常に非常に好意的に取り上げられているのだ。
外国では厳然たるアンチが存在し、裁判ざたになっているケースもある。
しかし、日本はゲラーの揚げ足をとる人は少ない。
これは、日本人の関係者すべてが「ゲラーの神秘性を守ることが、俺達のメシのタネだ」という、強い意識を共有してるいたからだ。
超能力経済とは、もはやスプーン曲げが真実かどうかなどには頓着せず、「何か」をきっかけにビジネスを広げるという企業家精神が、無から有を生み出す執念が作り出す金のなる木、なのである。
超能力経済その10大特徴
1.基本的に超能力をもてはやす。世論の科学万能主義に配慮しつつも、超能力現象を否定せず、興味をあおる。
2.超能力のエンタテイメントとしての価値を上げるために、どうしても「盛る」方向に行く。
3.アンチ超能力という市場も作り、「超能力vsアンチ超能力」という図式が意図的もしくは無意識的に出来上がり、このやりとりで両方の市場が盛り上がり、結果として超能力経済が成長する。
4.行き過ぎの演出が、超能力否定のムーブメントを巻き起こし、結局この経済は終局を迎える。つまり、あだ花経済である。
5.実態のないものを扱う経済であるから、形容詞、飾り、演出が発達する。言葉一つで経済が活性化する。例:サイキック、念力、遠隔透視、
6.科学で証明できない現象を世の中に突きつけることで、人々の常識を変え、創造力と想像力を拡大した。
7.差別をクローズアップした。科学的でないというレッテル貼りが、ある種の差別だということを人々に気づかせた。
8.超能力経済は常にアイコン(業界の象徴となるスーパースター)を探しており、そのものに全面依拠する。
9.「証明して見せること」、という行為の持つインパクトを世間に見せつけた。
10.いったん滅んだように見えるが、必ずよみがえるという特徴も持っている。超能力という市場は不滅だ。なぜならば、超能力は人間のロマンだからである。
ロマンというど真ん中のニーズ
超能力経済は、人間の好奇心を満たすことが、今も昔も変わらない経済のドライバーであることを教えます。
つまり、好奇心とは人間の根源であり、それは時代が変わっても、不変の真理です。
ニューヨーク・タイムズは、ユリ・ゲラーのスプーン曲げを「マインドゲーム」と表現しました。
マインドつまり心の働きが、奇跡的な働きを見せるのです。
そして、その可能性が無限であることを、ユリ・ゲラーはその存在で今も訴えているのです。
AIの反対概念としてのユリ・ゲラー
チャットGPTが不必要にもてはやされている今こそ、ユリ・ゲラー50周年を盛大に祝うべきです。

生成AIは逆立ちしても、スプーン曲げはできません。
スプーン曲げはマインドゲーム、こころが奇跡を起こすのです。
チャットGPTが起こす現象は、想像がつくもので、膨大なネット情報のはてに、自販機からポンと出てくる常識の塊でしかありません。
機械が莫大な情報を読み込むわけだから、サプライズや奇跡などあるわけなく、あなたが手にするのは「小利口な模範解答」にすぎないのです。
AIとユリ・ゲラー、どちらにロマンが、可能性があるのでしょう。
さあ、皆さん、台所からスプーンを持ってきて「曲がれ」と念じて下さい!
「やればわかるさ」(アントニオ猪木)

野呂 一郎
清和大学 教授