リスキリングがキミをダメにする。(高校生向け)
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:なぜ、リスキリングはキミたちにとって百害あって一利なし、などというのか。日本人とは何か。日本の教育の正体。「学ぶ」という最大にして最悪のトリック。100年変わってない日本人の本質とは。
アメリカが見た日本の正体
高校生の皆さん、こんにちは!
さて、きのう偶然NHKのなんとかの世紀、とかいう歴史もののドキュメンタリーを見たんだ。
その番組は戦時中の日本を描いたものだった。
真珠湾攻撃の直後アメリカが日本を敵視していて、米兵向けに日本と日本人とは何かを伝えるプロパガンダ映画を紹介していた。
その映画のワンシーンに日本の学校を紹介しているところがあり、こんなナレーションが流れていたんだ。
あれ、これって今も同じじゃないか、そう思ったんだ。
最近、暗号通貨の交換業大手のFTXが倒産したじゃない、銀行もダメ、仮想通貨もダメ、じゃあどうしたらいいんだを知りたくて、ちょっと色々資料をあたってるんだよ。
そしたら偶然、本棚に役に立ちそうな洋書を発見して、何気なく読んでみたんだ。
それはSaving the Sun (著者Gillian Tett, 発行元Harper Business 出版年2003)というタイトルで、アメリカ人の目から見た、日本の銀行がどうしてだめになったのかを考察した本なんだ。
その本の一つの結論は「バブルで日本人は、この好景気が永遠に続くと勘違いしてしまったから」というもので、それはそれで面白かった。
しかし、こんなことも書いてあったんだ。
日本人の本質とは何か、ということを著者のGillian Tettさんが説明している箇所だ。
ちょっと直接引用するね。
僕は、この2つのアメリカ人による、日本人の考察って古いけれども、正しくて今も変わらないな、と痛感するんだよ。
リスキリングがなぜ、ダメなのか
高校生の皆さんは、いま大人の世界で散々言われている”リスキリング”って、知っているかな。
聞いたことがあるけれども、そんなの知らないよ、関係ねえよ、と言うかもしれない。
まあこの前も解説したんだけれど、リスキリングっていうのは、「学び直し」って意味なんだ。
でも、これは一つの社会現象ととらえたら、いい。
アメリカのどごぞの学者が言ったこの言葉を、洋風の言い回しが大好きな日本人が気に入って、そのことばを政治利用しよう、ビジネスに使ってやろう、という魂胆のことなんだ。
岸田さんも、最近「子育てもして、リスキリングもやって」と言って、大バッシングを受けたんだ。
リスキリングという言葉に、こうやって日本人が飛びついたところに、日本人が昔とぜんぜん変わってないことが、明らかにみてとれる。
変わってないのは、「学ぶ」っていう習性だ。
ことなんだ。
リスキリングとは、アメリカ人が新しく気がついてアップデートした内容を、「学ぶ」ということにすぎないんだよ。
もうわかったろ、リスキリングとやらのバカバカしさを。
自分で物の本質を考えようとしないで、常に欧米最先端の考えをコピーする、ってことがリスキリング、というわけだ。
これじゃあ、いつまでたっても本家の欧米様を超えられやしないよね。
でも、Gillian Tettさんが言うように、パイオニアのアメリカよりもうまくできるかもしれない。
でもパイオニアは、また更にそれの上を行く技術を生み出して、また次元を変えてくる。
日本はまたそれを真似する・・・いつまでたってもフォロワーさ。
キミはそろそろ、この虚しいサイクルを止めろよ、止めてくれよ。
でもさあ、教育って中にこの悪弊が練り込まれちゃって、すでにキミの心身に染み付いちゃっているんだよなあ。
俺たちおじさんだって、犠牲者なんだよ。
鎌倉幕府は「イイクニ作ろう」だから1192年だとか、北条政子は悪い女だったとか、そんなことばかり覚えて、なぜ幕府ができたのかとか、なぜその頃女性が力を持ったのかとか、歴史の背景だとか論理だとかなんて考えさせない。
リスキリングは君たちに関係ないって言ったけれど、そうでもないな。
記述式問題中心が多くなる、っていうのが、キミたちが直面するリスキリングだ。
でも、マークシートの勉強から、文章題に備えて、やり方を切り替えても、ダメだって。
教科書という日本政府の公式見解に違えると、それはどんなにキミが論理的な持論を展開しても、ゼロ点だって。
学ぶことで、そして学び直すことで、ますます日本人はバカになっていく、いや、本来持っている脳力が発揮できずに終わる。
いま、データサイエンス学部が雨後のたけのこのように、日本の大学に誕生している。
しかし、もしそれが既製品の知識や技術を覚え込ませるだけで、そもそも論や本質を考えることや、批判することをやらないのであれば、世界のAI、デジタル化に表面追いつくかもしれないけれど、日本人の脳はさっぱり変わらないんじゃないか。
処方箋?
なるべく孤立して、すべからく自分の頭で考え、人と違うことをすることさ。手遅れにならないうちに、留学するのもいいと思う。
ダメだって、それも教わろう、なんて考えたら。
でも、デトックス教育は必要かも。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー