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現代の救世主としてのエルビス・プレスリー。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:エルビス・プレスリーの比類なき偉大さ。アメリカのエルビス・フェスとオーストラリアのそれの違い。死後も人に慰撫を与える存在こそが真の世界遺産。

エルビス・プレスリーという世界遺産

コロナ禍が少し収まったと思えば、今度はロシアの侵略戦争。今の世界で最も痛切に求められているものとは、
「すべてのイヤなことを忘れることができる何か」
ではないでしょうか。

そんなものがあるの?

あります。

それは「エルビス」です。

そうエルビス・プレスリーです。

4月、南半球で最大のエルビス・プレスリー・フェスティバルが行われました。

ここは、オーストラリアの首都シドニーからクルマで5時間かかる、小さなパークス(Parkes)という町です。

エルビスファンのひとり、自営業のジーナ・ビッカーさん(Gina Vicker)が、集まった2万5千人のエルビスフリークの気持ちをこう代弁します。

「ここに来ればみんなすべてを忘れられるのよIt lets us forget everything」

ジーナさん

これはエルビスファンのみならず、世界中の人の声ではないでしょうか、そう言うと大げさな、と引かれるかもしれませんが、今日はいかにエルビス・プレスリーが世界に影響を与えた稀有な存在であり、真の意味で人類のレガシー(legacy遺産)を呼べる人物だったことを検証したいと思います。

いやいや、そんなかしこまって分析するなんて野暮なことはする必要すらないですよね。先のジーナさんの一言で十分ですね。

エルビス文化は文化を超えた

ただ、このニュースを報じたニューヨーク・タイムズウィークリー(2022年3月10日号)は、エルビスを巡る文化の違いという面白い視点を提供してくれています。

まず記事のタイトルはこうです。

「ラスベガスから遠く離れたここオーストラリアで、ロックンロールのキング、セクシー・プレスリーになりきりコンテストが開催。(Far from Las Vegas, a hunk of burning love for the king of Rock'n'Roll)

タイトルからして、エルビスの故郷アメリカから離れたところでも、エルビスは伝説になってる、というニュアンスが感じられますね。

実際に本場アメリカでも、エルビス祭りみたいなのはありますが、あんまりドレスアップすると故人に失礼みたいなhidden rules 面倒くさい不文律があるといいます。

しかし、ここオーストラリアでは、人を笑わせないと失格みたいな、ユーモア第一という精神が感じられます。

動画を見ても、楽しいことがルールという感じが伝わってきます。

参加者も5歳から85歳まで幅広く、日本人のエルビスなりきりチャンピオンや、自称ボリウッドスターのインド人など、ここ豪州のエルビスフェスは多様性が目立ちます。

エルビス・プレスリーはかつて一度もオーストラリアでコンサートをやったことはありませんでした。

しかし、いまや「”エルビス文化”はアメリカ以外で爆発している」(前述ボリウッドスター)のようです。

比類なき人類のレガシー

僕の初めてのエルビスとの邂逅は、かれこれ半世紀前、小学生の頃、友人からElvis in Hawaiiというハワイ公演のアルバムをもらった時に遡ります。

それ以来、すっかりエルビスに魂を奪われています。

Burning Loveはまだ僕の胸で鳴っています。

エルビスと言えば、熱狂的な女性ファンの存在で有名ですが、その歌唱力、存在感、老若男女問わないフレンドリーさで、時代のアイコン(象徴的存在)として飛び抜けた普遍性があったように思います。

なくなったあと、これだけみんながこぞってものまねするスターがいたでしょうか。この事実こそ、いかにプレスリーが世界から愛されていたかを物語っています。

歌のうまさも忘れられません。

カバー曲がオリジナルを超えることはまずないけれど、個人的にはエルビスのSomethingはビートルズのそれよりいいんじゃないか、そう思ってます。

なくなったあとこれだけまだ愛されている存在は、エルビスをおいていないのではないでしょうか。

僕らは、戦後最大の危機に遭遇しています。

これから心穏やかならざる日々が続くでしょう。

そんな時、存在を思い出しただけで「すべてを忘れられる何か」がある人は幸せと言えるでしょう。

エルビス・プレスリーよ、永遠に。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
 
                             野呂 一郎
               清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー



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