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国民民主の躍進はマーケティングにあり。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:選挙はマーケティングである。正しいターゲットをさだめ、その層に刺さるメッセージをこさえ、それを正しくプロモーションすることである。アメリカの選挙より、今回は一足先に、国民民主党が正しいマーケティングの効果を立証した。トップ画はhttps://x.gd/jBXMB

大統領戦で浮上したハリスの弱点

今日のUSA Todayを見てみると「52%のアメリカ人が4年前より暮らし向きが悪くなった」と答えています

これはかなり重要なデータで、トランプはここを狙って「暮らし向きをよくする、インフレを撃退する」とやっているわけです。

同紙は、一方、ハリスさんのほうは「民主主義と堕胎」だけ、と手厳しく批判しています。

「トランプは民主主義の敵」、「望まない妊娠を拒否する女性の権利」は、たしかにそうですが、過半数の有権者に響くのは明らかに「暮らし向き」という争点です。

生殖の自由=中絶の権利を謳うhttps://x.gd/SbTmJ

確かにハリスさんは、経済通ではないですからねえ。

USA Todayは共和党寄りだから、こんな記事になるかもしれませんが。

選挙とはマーケティングである

選挙はある意味、マーケティングであり、マーケティングとは正しいターゲットに、正しいメッセージを投げつけることです。

大統領選における、正しいターゲットとは、接戦州における無党派層つまり、庶民です。

民主党も共和党も、接戦州以外の戦略は考えていません。

そうすると、どちらに投票するか迷っている庶民層への正しいメッセージは、「くらしむきをよくする」です。

ただ、気になるのは、マーケティング的な観点からすると、メッセージはターゲット層である庶民に刺さる「簡潔で説得力のあるフレーズ」、いわゆるキャッチが両党ともないことです。

もちろんトランプはMAGA(Make America Great Againアメリカを再び偉大な国に)ですが、これは2016年に対ヒラリー・クリントンでは意味を持ちましたが、対ハリスでは賞味期限切れでキレがない気がします。

ハリスがキャッチをあえて作らないのは、「ハリス」という固有名詞そのものが、簡潔で最も強いメッセージとなっているからかもしれません。

国民民主の争点はあたった

一方日本ではどうでしょうか。

今回の選挙戦で一人勝ちをしたのは、国民民主党ではないでしょうか。

7議席から28議席への、大躍進の秘密は、マーケティング的に言えば、ターゲットを庶民と定め、大衆に響くキャッチを考案し、それを集中的にプロモーションしたからに違いありません。

そのキャッチフレーズは、

「手取りを増やし、インフレに勝つ」
でした。

いかに見せるか

各党のホームページで、最も見せ方がうまかったのが、国民民主党だったと思うんです。

各党は幕の内弁当的に、様々な争点を出してきていますが、国民民主党は
国民民主とクリックすれば、目に「手取りを増やす」という言葉だけが入ってくるホームページの作りをしています。

政策を庶民に響くように、みじかく、わかりやすく、ワンワードでまとめる、これができているのが国民民主党でした。

争点にフォーカスできるかが勝負

衆院選の各種調査では、たとえば憲法改正5%、外交10%などと出ていました。

移民問題も関心が薄いですね。

選挙をマーケティングと考えれば、街頭演説は外交とか憲法改正などにはあえて触れず、フォーカスしたテーマのみに集中する、というのが正解です。

中小企業=庶民にフォーカスしていない自民党

30年給料が上がらず、今回の賃上げも大企業中心で、中小企業はスルーされて、庶民の怒りは沸点に達していました。

それなのに、自民の麻生さんときたら、「あんたたち、給料も上がったろ?」などと街頭演説で街の人に呼びかけたそうです。

「給料も上がったろ?」https://x.gd/Hf7lN

自民党のターゲットはつねに、大企業ですから、庶民=中小企業が理解できないのです。

その点、国民民主は正しいターゲット=庶民、に狙いを定め、正しいメッセージを発信し、それにフォーカスしたプロモーションを展開したと言えるでしょう。

選挙区ごとにこの数字は違いますが、経済をよくする、給料を上げるというスローガンは王道です。

財源その他の実現性は、ツッコミどころ満載ですが、マーケティングは「勢い」「攻撃性」であることを考えれば、その点はあえて重視しなくてもいいわけです。

まあ、読者の皆様は、「フン違うって。単に金権自民党の反対票が野党に流れただけだって」とおっしゃるでしょう。

たしかに、敵失に違いありませんが、マーケティングとは「絞る」ことであり、その基本が勝負を左右する、ということは申し上げたいと思います。

野呂 一郎
清和大学教授


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