プロレスは飲み会最強のツール。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:プロレスを少し知っているだけで、あなたはたちまち飲み会の中心人物になる、というお話。プロレスの持つ、驚異の世代間結合能力。プロレスを人脈づくりに利用できるぞ。
今日も酔っ払ってる
note書かないとならないのに、あと40分しかないな。
わかってた、そのことは。
今日は職場の飲み会で、たらふく飲まされることはわかっていたし、帰宅もこの時間になるとわかっていた。
書くネタもない、かと言っていい加減な記事を載せるわけにはいかない。
ひらめいたぞ。
さっきの飲み会で、大きな気づきを得たじゃないか、今日はそのことをお話するね。
プロレスだ。
またか、というお話だけれど、今日はマニアックじゃないよ。
プロレスの持つ普遍的なチカラ、人と人をくっつける魔力だ。
世代間ギャップを瞬時に乗り越えるプロレス
これから今日の飲み会の実況中継をするけれども、学校の話だと、肩書等わかりにくいので、会社のそれに置き換えるよ。
僕が80代の社長にビールを注ぎに行くと、社長は
「新潟プロレスのほうはどうなっているの?」と聞いてきた。
僕がプロレスに関わっていることを知っているんだ。
それを聞いていた70代の副社長が、「俺の子供の頃なんて、テレビがなかったものだから、電気屋がプロレスをエサにして、テレビを買わせようとするんだよ」、と口を挟んできた。
話は昭和初期にワープしている。
副社長は「力道山vs木村政彦」を、買ったばかりのテレビで見た、と話すと、社長は「あれはガチだったの?」と返す。
そうすると、60代の部長が「ガチだったら、木村は死んじゃってますよ」と首を突っ込んできた。
「プロレスは真剣勝負なんです、三沢光晴はリングで亡くなっているんですよ」と50代の課長が応戦する。
すこしはプロレスがわかる社長が「えー、どんなワザだったんだ。でもその技をかけたレスラーは、辛かったろうな」とひとりごちた。
すると、40代の係長が、「バックドロップです。齋藤彰俊の」と答えた。
30代の中堅社員が「齋藤彰俊は、愛知県出身なんですよ」と、話に乱入してきた。
そうすると、20代の若手社員が「僕、三沢光晴のお別れの会、行きましたよ」と目をランランと輝かせ、話に加わってくるではないか。
僕はあっけにとられて、心のなかで叫んだ。
「えーっつ、おまえらプロレス好きだったの?」。
意外に多い、プロレスファン
この様に、マニアではないけれども、「昔プロレスを見ていた」という人々は、びっくりするくらい多い。
こういう人たちも、プロレスファンと呼ぶことにすると、プロレスファンは世代を超えてそこかしこに生息しているんだ。
その数、僕の見立てだと、3000万人。
だいたい3人に一人がプロレスファンだ、おっと30以上の日本人に限るけどね。
彼ら彼女らは、「いつもはプロレスの話はしないけれど、飲み会でプロレスの話が出ると、食らいついてくる」という特徴を持つ。
そして、ビールを飲みながら、昔話に花を咲かせるのだ。
想像するに、こうしたプロレスファンの彼ら彼女らは、かつてのプロレスの賑わいを知っているだけに、今のプロレスの窮状を寂しく思っているし、格闘技の存在感がプロレスを凌駕し、隅に追いやっている事実も知っている。
しかし、酒でその「負い目」というタガが外れるのだ。
プロレスに関して自らが負っていたコンプレックスを、酔いでしばし忘れ、酒の力でプロレスファンであることをカミングアウトした仲間に、即物的なシンパシーを感じ、一緒に盛り上がるのだ。
まさに今日の酒席がそれであった。
プロレスは酒席のアロンアルファ、だ
これを読んでくれている「プロレスファン」のあなた、知らない人がたくさんいる、世代を超えた飲み会をやる時に、ためしにプロレスネタを真っ先に出してみたらどうだろうか。
プロレスの持つ、コミュニケーションのチカラを実感するに違いないから。
でも「それがどうした」と言うんだね。
ここぞ、という接待の席でやるんだよ。
「キミィー、見かけによらんねぇー、プロレスファンだったのかぁー。じゃああの3億円の契約、キミにやるよ」ってなるって。
まあでも、そんなプロレスのもつ経済パワーはおいといても、すごいこと、じゃないかな、理屈抜きに。
酒席のアロンアルファ、と名付けてもいいかな。
野呂 一郎
清和大学教授
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