「何処へ行くんだ?」 「壇上に行くんだ。やっと僕たちはステージで舞うことを許されたんだ」 「俺は行っちゃダメか?」 「ダメに決まってるじゃないか」 そう言い残して、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーは輝かしい壇上へ続く階段を堂々と上がっていった。 多様性を尊重する社会。彼らもやっと世間に認められてきた。だから彼らは壇上に上がることが許された。 「何が多様性だ!」 俺は下から役者たちに大声で訴える。 「俺はどうなるんだ! 何故俺はダメなんだ!」