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よみかけ。

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読みかけの本について、本と過ごす生活、日々のよしなし事と読書。 ——的な感じで書くエッセイです。 ルールは、「読みかけの本しか扱わない」「文字数、投稿頻度に規定なし」と決めました。
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記事一覧

えたいの知れない小説

雨の木とは不思議なものだ。 雨の木とは一体なんであろう。 わからない。 この小説『「雨の木…

のり子
13日前
12

巨大な友人

私はいつも読みかけで本を語る。 これもまた例に漏れない。が、他の本を語るのとは、これは少…

のり子
3か月前
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杳子という小説 『杳子・妻隠』から

先に結論。 杳子は小説である。 これが私のこの作品の読み方である。 直後の感想 まず、この…

のり子
5か月前
6

曽根崎心中EDM

2/11 近松門左衛門『曽根崎心中』を読んだ。 驚いた。あまりの衝撃にバイト先の食事会に遅れた…

のり子
8か月前
10

天台のメンタリティ

ずいぶん長い間、天台宗がぼんやりとしていた。 自分なりにたくさんの本を読んで、さまざまな…

のり子
9か月前
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シャーロックに関する事件

やっぱりシャーロック・ホームズが好きだ。 ロンドンの寒空、背の高い男女がコートの襟を立て…

のり子
10か月前
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教養の壁

石川淳『江戸文学掌起』の「横井也有」の章からの孫引きである。 横井也有の鶉衣に大田南畝が書いた序文である。 これを読んで……というより、これをまず読めるかどうかである。 なんとなく、噂になってる凄い本があって、その本の動向(——当時は今と印刷事情が違うので、版本で出回る数百冊、あるいは手書きで写して手にいれる他ないから本の動向は大切なのだろう)とその本の内容の素晴らしい事について書いてそう……ということは見て取れるのだが、それで合ってるのかも分からない。 教養がない上に、

読書会曼荼羅なるもの(多読の真髄)

随分まえに「読書界曼荼羅」なる単語がわたしのなかでほつと生まれた。定義らしい定義をこれま…

のり子
1年前
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適当読書指南

さてわたしのり子が、ここ二ヶ月続けていること。 『よみかけ』なるエッセイシリーズ。 本シ…

のり子
1年前
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尾崎翠・梶井基次郎 対 消費社会 

思わぬ再発見があったりして、文学の細部がもつ奥の深さを思い知る。 最近、金を使うという快…

のり子
1年前
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休肝日的なやつなのか、はたして

休肝日とかいう面白い言葉。 まず語感がいい。口なじみがある。加えて、この一語にその日以外…

のり子
1年前
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生活にとっての幸せ、人生にとっての幸せ

今日もまた本の話をしてしまう。 毎度変化も、芸も、工夫もない手前味噌な話題作りである。 次…

のり子
1年前
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本屋慕情

貧すれば鈍する。 わたしはこの夏、この言葉を知った。ある二種の出来事から。 お菓子と本。…

のり子
1年前
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休むと衰えるが珍しいことなのでそれもまた良し

本を読んでない。 たしか昨日に限っては一行も、一文字も読んでいない。 そんな日は、一体何年ぶりのことだろうか。 文字を読まないで終えてしまう日。 最近こういう日が続いている。 したがって文章を書くのも久しぶりだ。 作文が下手になった。 少し前まで出来ていた、自動でつらつら文章が繋がる感じを失い、一言ずつ一単語ずつ、立ち止まりながら、考え選びながら書いている。勘が鈍るというのは面白い現象だ。そして下手な文章しか書けない。 記憶にある限り、私の人生の中でこんな日常はない