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本2

こんばんわ。

友川カズキ著 「一人盆踊り」を読み終わり。

男前な人である。

言葉の訛りと、その男前さのギャップがすでに可笑しい。

銀座であれだけ絵画の個展をひらいても、あくる日になれば土方の立ちんぼをやっている。そのギャップも。

不思議な人だ。

白洲正子や深沢七郎などそうそうたる名前が出てくる。そして何といっても中上健次。寝食をともにして、本当に親しい間柄だったようだ。

かと思えば、たこ八郎。

たこ八郎が友川さんの事を「トモカズ!」と呼んでいたのが笑える。

たこ八郎は売れっ子になり、友川さんに酒をおごっていたそうで。

何だかその風景が、まるで見てきたかのように目に浮かぶのである。


友川さんの凄いところは、自分の言葉を持っていることだと僕は思っている。

日本語であるのは間違いないのだけれど、友川さんが放つひとつの言葉が(あるいは複数の言葉が)とても新鮮に感じてしまう。そんな瞬間がしょっちゅうある。

きっとそれって優れた詩人の有効な武器であると同時に、必要最低条件でもあるのではないだろうか。

いったいどんな修羅をくぐって来たらそんな領域に行けるのか。

まるっきり凡人である自分は、ただただ茫然とするだけである。

これからも、友川さんの一人盆踊りを見続けたい。

友川さんの、体力の続く限り無理をしない程度に、好きな競輪を打ちつつ、その合間にでもまた、あの強烈なライブパフォーマンスを見せてほしいものだ。

よろしくどうぞ。

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