B29-2021-10 愛×数学×短歌 横山明日希
数学を究めるには読解力が必要だし、文章を書くには数学的要素がしばしば助けになると前からうすうす感じてはいた。
だからこのふたつの学問はてんびんの両方でバランスよく保ち続けていたいと思う。云うまでもなく、ふたつは敵同士ではない。憎しみ合うのではなく、尊敬し合うのだ。尊重し、敬愛の念を抱き合う関係を維持したい。
ここで紹介されている短歌はおそらく、年若い人たちが作ったものなのだろう。作品が若い。稚拙とまでは云わないけれど、さすがにプロの歌人が作ったものとは大きな開きがあるように思える。しかし、だからいいのだ。この本のテーマにある意味沿った短歌集になっている。
数学というものを核に置きつつ、日本古来の文芸である短歌に昇華させる企画もの。高校生男女の恋愛を軸に、物語形式で組み立てられている。
図書館の、若い人たちに読ませたい本、のコーナーに置いてあった本を、借りてきて読みました。