侍の世に運ばれて、犬山。
日本最古の天守閣で名高き犬山城へは、
名鉄犬山線「犬山遊園」から木曽川沿いに、
小高き丘に麗らかに立つその姿を眺めながら向かうのがおすすめ。
旅人を出迎えるように近づいてくるお城にワクワクする。
戦国の世、かの織田信長の叔父、織田与次郎信康により築かれた外装3層、内部4階、石垣内部にさらに2階分が設けられたこの城の天守閣は、
鎧姿の戦国武将にすぐ脇から睨まれているような、当時そのままの木造の階段を、ギシギシと音をさせつつ1階ずつ見学しながら上るのがいい。
武具や屏風、古文書のある2階、
日本の城が写真で紹介された3階を経て、
4階「高欄の間」へ。
その回廊から、御嶽山や岐阜城、
名古屋駅上の「JRセントラルタワーズ」まで見渡せば、爽快の極みだ。
城から東に歩いて行ける、これも国宝の「如庵」で、
美しく整えられた緑の植栽と白石の対比、
縁先の手水鉢に仕掛けられた水琴窟の風雅にひたれば、
心は侍の世に運ばれる。