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[#レトリカル食レポ]重なり合う甘みと塩味、穀物味のレイヤー。ハム&チーズトースト。

指先で長方形のハムチーズトーストをはさんで、
濃い桜色の生ハムとチーズの黄が
柔らかな曲線を描いて重なり合う
断面を見ながら
スローモーションのように前歯でかじると、
パンの焦げめがカリリッと音をたてて
耳に美味しい時間の開演を告げる。

生ハムの繊細な肉味を、
とろけるようなチーズの舌ざわりが受けて
優雅に抱き合うみたいに
ゆるりとした感触が口にひろがるのと同時に
舌先がなめらかなチーズの甘みをとらえ、
生ハムの塩味が、それを追うように、
パッ、とスパークリングの感覚にも似て
わきあがる。

繊細な粒々イメージの塩味が、
チーズらしい甘みを包み
舌と口腔から伝わるメローな感触と共に、
くるくると混ざり合うそのとき、
パンらしいずしりとした穀物テイストが、
生ハムとチーズのブレンドに加わって、

さらにその奥にある味わいを、
手探りするように噛みしめていた。

大和市中央林間「daily」。
今日も、ご近所の味で。

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