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思うのなんて誰だって、できるじゃないですか。
■「思う」という方便
先週の「出没!アド街ック天国」で、
井ノ原快彦さんが言ってくれたこの言葉は、
私がnoteに書いていた思いそのものでした。
「(二子新地の『北海寿司』に)
行きたいなと思いました」
と言った照英さんに、
「思っているだけじゃなくて、本当に行ってよ」という
気持ちを込めて茶化したのです。
■殆どの謝罪会見は「謝罪したいと思う会見」だ
この「思います」は誠に歯切れが悪いです。
例えば5度のシステム障害を起こした
先日のみずほFGの謝罪会見でも
坂井辰史社長は、
「心より深くお詫び申し上げたいと思います」
と言ったのですが、
この「思います」は、迷惑をかけた顧客にではなく、
メディア向けに「こう思っている私がいますよ」と
アピールしているように聞こえてしまうのです。
もっと言えば、「申し上げたい」だから、
欲求でしかありません。
もしも、
「心より深くお詫び申し上げます」と言えば、
対象は顧客メインになって自らの罪が
より鮮明になってしまうし、
何よりも不備を認めてしまう意味が濃くなります。
「謝罪したいと思う会見」は、
そうならないように曖昧化したい意識が強く、
純粋な謝罪の気持ちはトーンダウンします。
恐らく、危機管理のコンサルタントは、
そんな言葉の重みに気づかないでしょう。
思うのなんて誰だって、できるじゃないですか、
ちゃんと謝罪してよ。
※「二子新地」
東京の「渋谷」駅と私のオフィスがある「中央林間」駅を結ぶ
東急田園都市線の駅で、「二子玉川」(ニコタマ)から
多摩川を超えて隣の川崎市にある。