人と人のつながりが糸でつながって見えたら、人はどんなに安心で、どんなに 不安なのかと考えることがあります。
自分に執拗に嫌がらせをし続けたモンスター患者・座間(田中哲司)が、
実は病院の同僚・沼田(浜野謙太)により金銭で操られていたと知った
千晶(貫地谷しほり)に、警備員・蓮見(平田満)は、
人間関係の不可解さと不思議さをこう吐露しました
(先週の『ディア・ペイシェント』最終回)。
しかも、その沼田も前の病院で使い込みが露見して、
表沙汰にしない代わりに、千晶が勤務する病院で問題を起こすよう
指示されていたという、二重三重にもつれた「糸」のつながりが明らかに。
恋愛でも仕事でも、そんな糸が見えたらどんないいいかと
思うことが、誰しもあると思います。
でも、糸で結ばれた人とだけ関係を築いていけば
うまくいくほど人生、単純じゃない。
そもそもそんな糸が見えたら、
迷って、悩んで、生きていけそうもありません。
ドラマは、恐怖を感じながらも自分と向き合った
千晶の姿勢に、次第に心を動かされた座間が、
千晶の命を救うという展開も見せてくれます。
もしも人と人を結ぶ糸が見えても、
本当に心が結ばれているとは言えないし、
切れた心もいつの間にか結ばれることがある。
私の心は、そんな一つの思いを結びました。