斜めになった地面。これを斜面と言います。
名古屋のCBCでMCを務めていた「ゴゴスマ」を、
そのままキー局で放送するという前代未聞のアプローチで
東京進出を果たした石井亮次アナが、
尊敬する浜村淳さんの話し方の例として挙げた言い回しです
(先週の『サワコの朝』)。
分かりやすい説明の極致とも言える表現ですが、
およそ分かりにくい製品マニュアルの例を出すまでもなく、
何らかの方法や姿形を相手に伝わるように説明するのは
本当に容易ではありません。
コピーライターの学校でも最寄り駅から教室までの道順を
書いて説明する授業がありました。
コツは「分からない人の頭のなかを想像して、
分かりきったことほど丁寧に説明する」、でしょうか。
一方、「言わなくてもいいんだ、にじませれば」と
古舘伊知郎さんに言われという逸話も、
石井さんは紹介していました。それは、
呆れかえるような出来事を報じたVTRの後で、
黙ってボールペンを手元に落とし、
ただ
「次のニュースです」とだけ言った、
久米宏さんのやり方です。
普通の日本語の発音はもちろん、
常套句の言い方も心もとなく、
伝統的な日本文化についての知識もない
昨今のアナウンサーのレベルを、
久米さん、古館さんはどう思っているのでしょうか。
あなたは「斜面」をどう説明しますか?
そんな質問をしてみたい気持ちになります。