ピーコさんの思い出。
ピーコさんが東京の青山墓地の近くに
住まわれていたころ、
仕事で一度訪問したことがある。
15年以上昔の話で、
ウエラが発行する美容サロン向けの
販促ツールのための取材だった。
*
ピーコさんは、
単なるコピーライターである私に
メディアに出られているときと
同じくフランクな対応をされた。
すぐに思い出したエピソードが二つある。
■浴室に案内された驚き
美容サロン向けの取材だったので
当然、ヘアケア関連の話題になるのだが、
こちらから求めていないのに、
浴室にまで案内いただいて、
日々のヘアケアについて説明されたのだ。
そもそもご自宅で取材をするというのも
稀なのだが、なかでもプライベートな浴室を
何のてらいもなく見せる
ピーコさんに、
タレントぶらない人間味を感じた。
■「あんた」と呼ばれた私
どのような流れでそうなったのか
忘れてしまったが、
ファッションの話になって、
私が(当時オフィスを構えていた)
東京・五反田駅前の通りを例に
「同じファッションの人が、
間を置かずに通る」と
個性がなくなったファッションを
嘆くと、
「あんた、五反田の話をしたってダメよ」
と、テレビそのままの反応を
返してくださった感じがして
ちょっとうれしかった。
*
私は、そんなことをいま思い出しながら、
「なんか、友達の友達くらいな人と
話す感じの時間だったな」と思う。
何人かの著名人に取材したが、
フランクに接してくれれば
くれるほど、
その人の人間性の深さが見えてくる。
ピーコさんも、
そんな一人だった。
合掌
※東京都品川区にある五反田エリアは、
現在はITベンチャーひしめく
ビジネス街で、
何よりも東五反田には
上皇后美智子さまの実家もあった。
ただ、青山や代官山などと比べると
当時は、ファッションとは縁遠い
街だったことは間違いない。