娘の"4カ月飛び級"で知った、オランダ小学校の驚くべき柔軟さ
オランダ・アムステルダムの小学校は今日から新年度。早いもので、わが家の娘も今日から小学2年生です。
…ということで、一つ、オランダの小学校について、驚いたことがあったので小話をさせてください(Photo by Dana Marin on Unsplash)。
3者面談でカルチャーショック
オランダの小学校は「4歳の誕生日が来たら入学」。12月31日生まれの娘は今年の1月に入学しました。
つまり、娘は8カ月間しか、小学校1年生をやらずに2年生に上がったことになります。
1年生の最後の月に、担任の先生から3者面談で…
◯◯(娘の名前)はオランダ人と比べるとオランダ語の語彙は少ないかもしれない。けど、好奇心が強いから大丈夫。
ということで、少し早いけど、2年生に上げてもらうことになりました。さらに…
2年生をやってみて、もし『少し早かったかな…』と感じたら、また1年生に戻ればいいから。
「えっ、『学年』って、そんなにカジュアルに上がったり下がったりしていいものなの…?」と、心底驚きました(苦笑)。
そんなにカジュアルに、学年を下げられるんだったら、「留年」という言葉の意味合いもちょっと変わってくるな、とも。
それは「飛び級」にしてもそうで、つまり、言ってしまえば、「その子のレベルとペースに合っているかどうか」だけのこと。
考えてもみれば、「4歳の誕生日が来たら(小学校に)入学」という、スタートの時点から、みんなそれぞれレベルもペースも違うわけで。
もちろん学年が上がって、もっと「お勉強」っぽくなってきたら、人と比べたり、焦ったりってこともあるんだろうけど…
少なくとも、小さいうちは、こうやって子ども一人ひとりを見てくれている「安心感」っていいなあと感じます。
先生が実はオランダ人じゃなかった
ちなみに、娘の担任の先生はルーマニア人。オランダには7〜8年前に移住してきたそう。ってことは…
ほんの7〜8年前に、オランダ語を話せない状態で移住してきた外国人が、公立の小学校で先生をやっているということ。なんとなく、公立の学校の先生=地元の人、というイメージだったので、ここでもびっくり。
そういう人でも、公教育の場で活躍することができる、それが自然な光景… という状況はどうやったら作れるんだろう、とオランダ語が話せない外国人としては、戸惑うほどにすばらしいなと感じます。
パパからの小話は以上です。2年生への進級、おめでとう!
オランダの子育て事情については、Twitter、ポッドキャスト『海外移住家族の夫婦会議』でも発信しています。ぜひ、チェックしてみてください。
編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。
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