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米を通じた社会貢献と農業再建
こんにちは。
日本酒スタートアップの株式会社Cypher代表の糊谷です。
この度、最高級日本酒ブランド「HENGE」を立ち上げました。
公式Instagramおよび公式LINEでも、詳細の情報を発信していますので、登録お願いいたします。
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ブランドの創業ストーリーは以下のnoteに書いてありますので、こちらもご覧ください。
今回は「HENGE」の第一弾商品でもある「UMAMI」の原料である伝説のお米「亀の尾」を育ててくださった、農家さんについてお話しできればと思います。
高級日本酒ブランドとして、原料の品質にこだわるのはもちろんですが、その先の持続可能性にも目を向けた設計をしていますので、そこについても書かせていただければと思います。
1.日本酒と農家と地域の強いつながり
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まず初めに、みなさん日本酒の原料をご存知ですか?
正解は、、、
「米」
です。
厳密にいうと、「米」・「米麹(こうじ)」・「水」になりますが、米麹もお米に麹菌を繁殖させたものなので、元はお米です。
このようにお米がないと日本酒は作ることができません。
そのため、日本酒を造る酒蔵とお米を作る米農家は強いつながりを持っています。
それに加えて、地域の農家が作ったお米を地域の酒蔵が使うという、地域のつながりもあります。
一部の酒蔵では、食用米で言うところの特A新潟県魚沼産コシヒカリのような酒米を取り寄せている酒蔵も存在しています。
「HENGE」では、酒蔵のある地域で育てられたお米を使用します。
理由としては、ワインのテロワールの考え方に似ています。
日本酒造りもお米作りも自然環境が大きく影響するため、同じ地域で作られたお米で日本酒を造ることは親和性が高く、味わいをより一層深めると考えているからです。
「HENGE」のコンセプトは、
”変幻自在に広がる、日本酒の無限の可能性”
誰でも造れる味わいではなく、その土地の酒蔵でしか出せない味わいを追求するためにも、酒蔵と同じ地域で作られているお米を使用する必要があります。
2.社会福祉と農業
「社会福祉と農業」=「農福連携」
「農福連携」という言葉を知っている方もいらっしゃると思いますが、知らない方に説明いたします。
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農福連携とは、、、
農業と福祉が連携して行う取り組みのことです。
具体的には、農業の現場で福祉的支援が必要な人々(障がい者など)に就労機会や支援を提供し、地域社会での自立や社会参加を促進することを目的としています。
農福連携の素晴らしい点は、
支援の必要な方々と農家の方々、両方にメリットがあるのです。
・支援の必要な方々には、社会的に自立できる支援ときっかけ
・農家の方々には人材不足と後継者不足の支援
私たちは、普通の農家さんのお米も大変素晴らしいと感じておりますが、同じ素晴らしいお米を買うなら、その費用が誰かの挑戦や自立のきっかけになることを願い、農福連携事業者で作られたお米を選びました。
「UMAMI」に使用されている、自然栽培された伝説のお米「亀の尾」も、農福連携している事業者で育てられたものであり、お米を購入させていただいた費用は支援の必要な方々の自立に使われております。
3.提携農家さんのご紹介
提携農家さんは、社会福祉法人ゆずりは会の障害福祉サービス事業所「菜の花」です。
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「菜の花」は、就労継続支援B型事業所になります。
就労継続支援B型事業所とは、障がいや病気があるために一般企業で働くのが難しい方に、働く場を提供する福祉施設です。
施設利用者には、成果に応じた工賃(給与に相当)が支払われますが、一般的には雇用契約を伴う就労継続支援A型と比べて工賃は低くなります。
就労継続支援B型事業所の全国の平均工賃は、月額17,031円(令和4年度)です。
「菜の花」の令和4年度の工賃月額76,221円になります。
この理由としては、「菜の花」では自然栽培で野菜やお米を丁寧に育てているからです。
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2022年には、ノウフク・アワードのグランプリを受賞しており「菜の花を農業をしたい若者の登竜門」にしていただくことを目標にしています。
「菜の花」では、社会福祉活動と自然栽培(無農薬・無肥料)に非常に力を入れており、とことんこだわって最高品質のお米を栽培しています。
こだわりの一つとして、水があります。
田んぼは基本的にいくつか並んでおり、一般的に同じ用水路の水を使用しております。
そのため、隣の田んぼが農薬や肥料を使用していた場合、その農薬や肥料が入った水が流れ込んでくるため、完全に無農薬と言えなくなってしまいます。
しかし、「菜の花」で栽培された「亀の尾」は、他の田んぼを経由していない水を使用しているため、完全無農薬を実現しています。
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「菜の花」は、ただの社会福祉施設が農業をしているのではなく、社会福祉も農業もこだわりを持って行っているのです。
4.自然栽培の可能性
最近、自然栽培やオーガニック、無農薬といった言葉をよく耳にしませんか?
「自然栽培」とは、無農薬・無肥料で育てたものを指します。
そもそも農薬と肥料はどのようなものか?
農薬とは、
農作物を病害虫や雑草、カビなどから守るために使用する化学物質や生物由来の製剤です。
肥料は、
植物の成長に必要な栄養分を供給するために土壌に施す物質です。
そもそも、農薬と肥料を使わない自然栽培に関して、健康に良さそうだけど、それ以外のメリットってあるの?と思う方が多いのではないでしょうか。
自然栽培が注目される理由には、環境・健康・経済など多方面にわたってメリットがあるのです。
1. 環境への負荷が少ない
化学物質の不使用
自然栽培では農薬や化学肥料を使わないため、土壌や水質、周辺の生態系への悪影響が少なく、生物の多様性を保つことができます。土壌の持続可能性
化学肥料を使わず、有機物を自然分解させることで、土壌が豊かになり、長期的に地力が維持されます。カーボンフットプリントの削減
化学肥料や農薬の製造・輸送に伴うCO₂排出がないため、環境負荷を抑えます。
2. 健康面でのメリット
残留農薬のリスク回避
化学農薬を使用しないため、農作物に農薬が残留するリスクがありません。特に敏感な子供や妊婦にとって安心です。栄養価の向上
一部の研究では、自然栽培の作物が一般的な慣行農法で育てられた作物よりもミネラルや抗酸化物質が豊富である可能性が示唆されています。
3. 地域経済・農業の持続可能性
地産地消との相性が良い
地元の環境に適した栽培方法を取るため、地域の農業振興や経済活性化につながることがあります。農家の独立性向上
農薬や化学肥料を購入するコストを抑えられるため、農家の経済的負担を軽減しやすいです。
4. 消費者からの信頼
持続可能なライフスタイルの象徴
環境意識が高い消費者にとって、自然栽培は「サステナブル」や「エコ」のイメージが強く、価値ある選択肢とされています。
5. 持続可能な農業のモデル
自然栽培は、「自然との調和」を目指した農業方法で、気候変動や環境破壊といった課題に対処しながら持続可能な農業のモデルとして位置付けられています。
もちろん、農薬や肥料を使用している慣行栽培で効率的に栽培しているからこそ、消費者の手元に多くの野菜やお米が届いています。
しかし、環境や持続的な社会を考えると、自然栽培などの環境や生き物に配慮された栽培で現状の収穫量ができるのが望ましいのではないかと思います。
ですが、自然栽培は収量が安定しない点や慣行栽培に比べて労力がかかる点などの課題があります。
この課題を克服する技術や支援を広げるためにも、私たちは発信や自然栽培米の使用を行い続けたいと考えています。
5.持続可能な農家の創造を目指して。
今回第一弾商品の「UMAMI」で「自然栽培米の「亀の尾」を使用したいと思い、土田酒造さんから「菜の花」を紹介いただき、直接お話を伺いに行きました。
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HENGEとしてだけでなく、僕個人としても農業再建や社会貢献の考え方を大事にしたいと思っています。
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HENGEは、日本酒業界の再建と共に、農業など日本酒に関わる全ての関係者が持続可能な未来を創造するためにこれからも邁進します。
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6.最後に
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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
僕が目指すのは、
日本酒の無限の可能性と変幻自在な味わいを体現すること。
それが、日本酒業界全体の未来を明るくし、酒蔵の廃業など日本酒業界の問題を解決する最良の方法だと信じています。
HENGEの成功を通じて、
日本中の酒蔵が潤い、個性豊かな日本酒が生まれる未来を実現します。
僕自身が挑戦し続け、国内外の多くの人に「日本酒の面白さ」を伝えることで、日本酒の魅力を次の世代へとつなげたいと思っています。
僕自身、まだまだ未熟ではありますが
「大切な仲間と好きなことで夢を叶える」
その夢を、日本酒という形に込めて実現するため
これからも全力で進んでいきます。
変幻自在な日本酒の魅力が、新たな世界を創造する。
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-HENGE-
「変幻自在に広がる、日本酒の無限の可能性」を信じ、挑戦することを使命として立ち上げた最高級日本酒ブランド。
第一弾商品となる「UMAMI」は、日本酒が持つ魅力の1つである「お米のうま味」を最大限伝えるべく提携酒蔵から原料米、製造方法まで全てを設計した。
-第一弾商品「UMAMI」の特徴-
自然栽培(無農薬・無肥料)で育て上げた伝説のお米「亀の尾」の最高品質米を使用。
米を極力削らず、米本来のうま味を最大限日本酒に残した。
米を削らない技術は至難の業であるが、米を削らない日本酒造りに特化した群馬県・土田酒造で醸し、極限まで雑味を抑えることに成功した。
公式Instagramや公式LINEでも詳細の情報を発信しますので、登録お願いいたします。
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