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エッセイ 大動脈と毛細血管

 北陸新幹線が延伸になった。能登の地震の後だから、非常にタイムリーというか、北陸の人は喜んでおられることだろう。聞けば、計画の端緒は田中角栄が総理大臣だった頃らしい。最初に地元新潟に上越新幹線を引っ張った日本列島改造論の一環ということらしい。そんな50年以上も前の計画が変更されることもなく、いまだに生きていることに、少し驚きを感じた。
 本当に必要なのか?費用対効果とか、難しいことはよくわからないが、過疎地では(北陸に限らず)鉄道はおろか、バスも廃止されて、生活の足にさえ事欠くところもあると聞く。賑わうのは最初のうちだけで、やがて利用客の少なくなった高速道路や橋もあるようだ。
 新幹線や高速道路を大動脈に例えるならば、生活の足は、毛細血管と言えよう。動脈と毛細血管とどちらが大事かという質問は愚かだが、それぞれの地域に合った政策がもっとあってもいいような気がするのは私だけだろうか。
 きょう近くのスーパーで駅弁フェアをやっていた。女房の好きな「越前かにめし」を買った。1325円也。少しは北陸の復興に貢献できただろうか。

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