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タイトル説明 何故「座標軸」というタイトルをつけたか。(8)会社の性格と社員の性格

 

 会社、というより、ビジネスシーンへ少し範囲を広げた方がわかりやすいと思う。つまり、社員である「自分自身」「同僚」「部下」「上司」「役員」「社長」にとどまらず、「業界」「経済界」・・・と視野を広げた方がこの座標面は威力を発揮すると思うからである。
 さて、まず自分自身だが、私はO寄りのAである。定年前は課長相当の中間管理職を務めていた。中小企業の課長だから、たかが知れている。社会軸のかなり下の方に位置すると思ってもらっていい。会社は印刷会社である。印刷会社の性格をどう判断するかが重要である。印刷といってもかなり間口が広い。お堅い書籍の印刷から、パッケージ、新聞広告までいろいろある。印刷の目的が、「記録」にあるのか「実用」にあるのか「情報伝達」にあるのかによって「記録」ならA、「実用」ならO、「情報伝達」ならBと分けてもいいのではないか。そう考えると、私が勤めていた会社はAとOの中間ぐらいかなと思う。私自身もAとOの中間だから、私は会社とほぼ同じ位置にいることになる。30年以上勤めたわけだから、まあ、居心地は悪くなかった、相性が良かったということになるのだろう。社長もA型である。
 しかし、もちろん社員がみんなA型というわけではない。相性が悪そうな社員を何人も見て来た。こういう状態を私は「摩擦」が大きい、とか「ミスマッチ」と呼んでいる。会社と社員のミスマッチが起きた時にどうするかは、永遠のテーマである。経営者にとっても、社員にとっても。
 この問題を座標面上で考えてみる。会社は中小企業でも、個人とは違って入れ物が大きいから、座標面上では、点ではなく図形、三角形で表したい。なぜ三角形かといえば、社長を頂点とするピラミッド形になるのが、会社として一般的ではないかと思うからである。社員としてその会社で働くということは、その三角形の中に身を置くということである。私は自分自身が会社のすぐ下に位置しているから、その三角形の中に入ることは比較的容易である。問題は、会社の三角形から遠く離れたところに位置している人間だ。O型はまだしも、B型はどうする?会社にもB型の人間は多い。役員にもいる。私は、B型は個性的で営業センスがあり、金儲けがうまいと思う。ただし、規則に縛られるの嫌う。こういう人間をどう扱うか?社長はなんとか使いこなそうとするし、社員は、会社の改善、改革を打ち出すかもしれない。私はお互いの相互理解しかないと思う。相互理解をするためには、お互いの立ち位置を理解していなければならない。会社はA、社員はBという認識がまず最初にあって、その次に、じゃあ、この差をどう埋める?という話になる。基本的には社員が社長に従うべきだと思う。つまり、B型の人間だったら、不本意であっても、会社にいる間はできるだけA型的言動をとるようにしなければならない。これはかなりのストレスになると思う。それがいやだったら、会社を辞めるしかない。そもそも、入社時の見極めが悪かったと思うしかない。
 しかし、会社側も改善できる点は改善しなければいけない。営業部などは、あまり規則で縛らずに、自由に動かせてやった方が、活き活きと働くかもしれない。会社の間口を広げて社員にできるだけ仕事の選択肢を増やしてやるのもひとつの方法であろう。
 逆に、A型社員に主体性を求めてはいけない。A型人間は秩序を重んじるから、自分勝手に動くことを嫌う。そこに主体性は芽生えない。社員に主体性を求めるなら、O型の血を入れることだ。
 業界全体で考えると、印刷業界は斜陽産業だ。紙に印刷するという行為自体が時代遅れだ。世の中はペーパーレスの時代だ。ペーパーレスはこれからどんどん進展するだろう。本が売れなくなり、新聞が読まれなくなる。当然新聞折り込みチラシも需要が減る。役所の仕事もデジタル化が進む。そういう時代にあって印刷会社の生き残る道はどこにある?と考えた時に、A型の保守的、伝統的発想ではこころもとない。広く世の中、世界を見回して、どこに需要がありそうかを探す目を持たねばならない。今の世の中をできるだけ正確に座標面上に落とし込み、その中で、自分の会社がどっちに進んでいったらいいかを考えるのである。一人ひとりが社長のなったつもりで。その広い視野を座標面は与えてくれると信じる。

次回は座標面を使って「視野」「視座」「視点」について説明しようと思う。


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