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最好映画

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最も好きな映画を書いてみます。
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2020年5月の記事一覧

最好映画。 091 「ヒドゥン」 1987年。

いきなり隣人が凶暴化した原因は宇宙人の乗っ取りだった。SFの漫画ではどこかで見たことのある設定を微妙なチープさと、それはもうシブい脇役さんたちばかりで固めた役者陣。これをB級と言わずしてなんと言おうかという傑作です。過激なカーチェイスとやたら人を殺しまくる宇宙人の設定が楽しいです。しかも、この悪者、人を乗り換えるんです。最初は平凡なおじいさんかと思いきや、タイトスーツの女性にも。悪ノリもいいところですが、最後まで目が離せません。それを追っかけてきた捜査官がこれまたいい宇宙人に

最好映画。 090 「暴走特急」 1995年。

スティーブン・セガール師範の「沈黙の戦艦」の続編。原題も「Under Siege 2: Dark Territory」で、ちゃんと続編です。正編は「沈黙」シリーズの発端になるほど売れた模様ですが、続編のこちらはいまいち有名になれなかったところがあります。結構面白いんです、これ。スパイ衛星兼攻撃衛星のコントロールを奪ったテロリスト。走行し続ける大陸横断鉄道をトレインジャックして政府をゆすります。残念なことに、そこに乗り合わせたセガール師範がどんどんやっつけてしまうので、テロリス

最好映画。 089 「マッドマックス2」 1981年。

「マッドマックス:怒りのデス・ロード」の前作。新作は最高にカッコよくて煽られました。冒頭にインターセプターのスーパーチャージャーが廻るんですよ(涙)ムダに盛り上がるのは、前作がそれだけ面白かった証です。「マッドマックス2」のころは飛行機にぶら下がって撮影を指揮したという伝説もあるジョージ・ミラー監督の代表作。荒廃した未来世界像を砂漠の中で描ききってます。強くて孤独なくせに、人のために働く主人公が、最後までひどい目にあうけど、ギリギリ助かって、でもまた孤独になるという、偉いんだ

最好映画。 088 「シラノ・ド・ベルジュラック」 1990年。

「愛しのロクサーヌ」で初めて知った古典純愛劇。鼻のやたら大きなシラノ・ド・ベルジュラック(実は実在の人物)の半生を本家フランスでみっちり映画化。やたらとセリフの長くて情緒的な仏映画でも特大に長セリフの多い名作です。ジャン・ポール・ラプノーという監督は5年か10年の寡作なので、追っかけにくいんですが、この映画は特別です。冒頭20分に渡る、モンフルリーを舞台から引きずり下ろすくだり。詩人で剣豪、ユーモアたっぷりで人気者の主人公にあっという間に描写します。リュック・ベッソンやジャン

最好映画。 087 「カンフーハッスル」 2004年。

ともかく、面白い!ひたすら弾けていた「少林サッカー」とは一味も二味も違ったところが大好き。漫画のようで、でも映画にしかできない表現を次々と繰り出す、チャウ・シンチーの凄さ。随所でニヤリとすること請け合いです。冒頭もお見事。踊るギャングと凄惨な新聞写真を交互に映し出す「悪い奴ほどよく眠る」的導入。60年代香港映画でよく聞かれた楽器を利用した音楽が雰囲気を加速してくれます。映画の引用も沢山あって、最高なのは、大家のおかみさんが、攻め込んできたギャングを一掃した後。クルマに陣取って

最好映画。 086 「羊たちの沈黙」 1991年。

これがアカデミー賞を取っちゃうんだから、当時の世相は相当暗かったのかもです。評判を呼びすぎて、大分後になってから観にいきました。素晴らしすぎて3回くらいは劇場に行ったと思います。ハンニバル・レクター像を決定づけた映画です。撮影と編集が今もピカイチ。冒頭から決して晴れない空、レクター博士に最初に会いに行く過程で4度も閉まりゆく鉄格子、対面した後でも目を合わせているのか微妙な画角、とにもかくにも顔のアップ。全てがサー・アンソニー・ホプキンスがいかなるキャラクターを演じているかに奏

最好映画。 085 「ダイ・ハード」 1988年。

クリスマスに無駄な活躍をしてビルをぶっ壊すツいていない男の話。悪役が頭いい映画って良いです。アラン・リックマンの落ちてゆく顔のネタが流れてましたが、ハンス・グルーバーのおかげで、この映画は芳醇になっていると思います。ずる賢くて、部下に非情なマッチョを抱えて、必ず裏があって、最後はしぶとくて、芝居までして勝とうとする。落ちてゆく時の彼の吃驚顔は、失礼だけどスカッとします。「ダイ・ハード3」でジェレミー・アイアンズが彼の兄役をやっていておかしかったですが、アラン・リックマンにはか

最好映画。 084 「スターウォーズ」 1977年。

エピソード4とか、「新たなる希望」とか名称はどうでもよくて、最初に公開されたこれが一番好きです。オリジナルトリロジーで一番回数観たのは「ジェダイの復讐」(エピソード6)でございますが!公開当時は小学校2年生で、怖かった思い出の方が先に立ってます。宇宙には中東みたいな風景が広がっていて、宇宙船の戦いも地上の戦いもあるんだ!!って。怖いのは最初の酒場でハン・ソロが追っ手を撃つあたりでしたが、「ジェダイの復讐」の頃には、なんていうことのないシーンだということがよくわかって、子どもな

最好映画。 083 「トータル・リコール」 1990年。

2012年に再映画化もされたフィリップ・K・ディックのSF抄。ものすごく久しぶりに観たら、結構トンでも映画で楽しくなっちゃいました。「プレデター」「ゴリラ」「コマンドー」1980年代後半全盛のアーノルド・シュワルツェネッガー主演。二重三重の罠があって、誰が本当に正しいのか最後まで分からないお話です。何がトンでも映画かって言うと、残酷なところ。え?そんなところでも?アクションが始まって、破壊しまくる。拘束された機械の手枷に付いていた金具で人刺しちゃったり、よくもまぁそんな残酷な

最好映画。 082 「ビバリーヒルズ・コップ」 1984年。

「トレマーズ」「のるかそるか」と同列に、何度観ても楽しい映画。めちゃくちゃなトークと機転で、ぐいぐい確信に近づくエディ・マーフィ、最高です。彼の出世作として知られていますが、マーティン・ブレスト監督作でも、群を抜いて面白いです。彼の映画に通じるのは、脇役が印象強いこと。エディ・マーフィをつけまわす刑事コンビ、ジョン・アシュトンとジャッジ・ラインホールド、警部補のロニー・コックスと、この後やたらと活躍した人たち。画廊のオネェ店員を演じていたブロンソン・ピンチョットも忘れられませ

最好映画。 081 「人生狂騒曲」 1983年。

「未来世紀ブラジル」の前年に公開された、モンティ・パイソンのスゴい映画。どんな映画か説明するよりも、どのコントが好きかを喋るしかない映画です。テリー・ギリアム好きには「クリムゾン 老人は荒野をめざす(短編)」。せっかく出奔したのに、劇中で簡単に潰されるビル帆船が最高です。先頃復活ライブでも上演された「精子の歌」の無駄な豪華さや、「ミスター・クレオソート」のような未来世紀ブラジルテイストのネタまで、ともかく飽きることがありません。だってくだらないんだもん。無駄に豪華なクレイジー

最好映画。 080  「パトリオット・ゲーム」  1992年。

ジャック・ライアン・シリーズの映画化、第二弾。「レッド・オクトーバーを追え!」の続編ですが、出演者は総入れ替えなので全く繋がり感がありません。前作がジャック・ライアンよりはラミウス艦長が主役だったのに対して、今回はジャック・ライアン。ノってる時期のハリソン・フォードが主役なので、バリバリです。英国貴族を助けたことで自らの命を狙われる羽目になったライアンが、いかにしてテロリストを粉砕するかというお話。監督のフィリップ・ノイスは豪州出身。どっちかというとB級感のあるスリラーが多い

最好映画。 079 「グッドモーニング, ベトナム」 1987年。

この頃初めて知った、ロビン・ウィリアムスの主演映画。 ノっていた頃のバリー・レヴィンソンが作った、沁みる映画です。 従軍ラジオ番組のDJが主人公。楽しいトークの合間にニュースを読み、偏った報道に反発し、騒動に巻き込まれる。いわゆるコメディとは一線を画し、ドタバタを期待すると泣かされます。戦争シーンがほとんどない珍しいベトナム戦争ものでもあり、長ーーい時間、彼のトークが聞ける珍しい映画でもあります。「レナードの朝」や「パッチアダムス」「フィッシャー・キング」なんかとも違う人間臭

最好映画。 078 「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」 1984年。

とても優しい気持ちになれる映画。宇宙人=ブラザーは地球に遭難。言葉が分かるけど喋れないので、黙ってうなずいていると、みんなが喋りかけてきてくれて「良い人」として人気者になって、でも、彼を捕まえようとする別の宇宙人たちがやってきて...と言うお話。今となっては「ターミネーター2」のダイソン博士の方が思い出し易いジョー・モートンがブラザーを演じています。おどおどしていて心優しい感じが好きです。監督・脚本のジョン・セイルズが追いかける宇宙人を演じていて、無表情で少し外れた行動をする