マガジンのカバー画像

最好映画

231
最も好きな映画を書いてみます。
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

最好映画。 029 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 1985年。

元気になれる映画ってあるもので、この「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「トレマーズ」「のるかそるか」が、私にとってのそれです。これはもう言うことなし。20年以上も前の映画なんで、ペカペカだったり、編集がもっさりしてたり、今の目ではゆったりした映画なんですが、この映画の幸福度合いはものすごいです。隅から隅まで伏線と回収のシアワセ。例えば、博士がいつ手紙をポケットに入れた、とかダッシュボード上のおもちゃとか、本の装丁とか、見落としがちなモノにまで目がいっちゃうんですw。出演者みん

最好映画。 028 「主人公は僕だった」 2006年。

テレビをつけたらやっていたというパターンですが。 上映していたことも知らなかった映画でしたが、これは面白かったです。 マーク・フォスター監督、ウィル・フェレル主演。 ある日突然、自分の生活や行動を説明するナレーションが聞こえてきてしまう男の成長話。と思ったら、あるスランプ作家の新作に書かれていた主人公で、書いてゆくごとに話が進行してゆきます。あるポイントで、このままでは殺される!と気がついた主人公がそれに抗っていったら…というコメディなんですが、SFかと思ったら泣かされてしま

最好映画。 027 「恋はデジャ・ブ」 1993年。

最好映画。027 「恋はデジャ・ブ」1993年。再掲。 これは拾い物のコメディです。深夜にやっていたのを観て、大好き。 同じ一日をずっと繰り返すはめになる、ずるい男の、ちょっと成長話。普通のコメディっぽいですが、繰り返しのお話、というところがミソです。同じ日に同じタイミングで違う台詞をデート中に吐くとどうなるかを実践し、何週間も後には、たった一言で彼女をモノにしたり、嫌なセールスマンのネッドを一言で追い返したり。街中で起きている事故を毎日未然に防いだり、その日だけでもヒーロー

最好映画。 017 「刑事グラハム/凍りついた欲望」 1986年。

「羊たちの沈黙」よりも5年前に作られたレクター博士初登場映画。 監督はマイケル・マン「ヒート」「マイアミ・バイス」だし、撮影はダンテ・スピノッティ「ラスト・オブ・モヒカン」「L.Aコンフィデンシャル」だし 音楽はキレてるし、かなり面白かったんです。2002年の「レッド・ドラゴン」と比べれば、ダラハイドが不気味で。レクター博士は比べちゃいけないけど、ブライアン・コックスは渋くて狡猾な感じが素晴らしかったです。当時は「マイアミ・バイス」(TVシリーズねw)の流行りで、新宿の小さな

最好映画。 026 「ブレックファストクラブ」 1985年。

「恋しくて」が面白かったので、気になってジョン・ヒューズを追いかけてたどり着いた、青春ものの最好映画。土曜日に補講を受けさせられる高校生達の一日のお話。一癖ある出演者がそれぞれいい味出してます。エミリオ・エステベスを初めて見た映画です。全編学校の中だけななのに、どんだけ部屋があるんだとアメリカの高校生活へのあこがれました笑。中盤の図書館のシーンでジャド・ネルソンが天井から落ちてきたところ辺りから仲間意識の楽しい感じ全開。登場人物も限られているし、仲良くなるまでの過程は面倒くさ

最好映画。 025 「サブウェイ・パニック」 1974年。

無論ビデオで観たわけですが。1974年に出た小説の映画。3度リメイクされている、スリラーです。なんとなく見始めたら、ユルーいノリのハイジャック(?)ものか〜と思ったら、口の悪い鉃道警官とテロリストの頭脳戦。テロリストがあっさり負けた後も、逃げた仲間を追いかけてどこまでも続きます。ともかく、オープニングテーマが最高。サントラ即買いです。音楽はデヴィッド・シャイア。一番ノッてる頃のオーウェン・ロイズマン(「フレンチ・コネクション」に「コンドル」に「エクソシスト」)が撮影監督。NY

最好映画。 024 「ガンヘッド」 1989年。

完全オリジナルSF映画にして、等身大ロボットをスタジオ内で動かしたと言う前代未聞の映画。「エイリアン2」が公開された後だったので、高校生の私には「時遅し感」満載でした。でも何故かずっと見続けています。改めてiTunesで見返すと、オープニングの雲海から無人島へのアプローチ、カイロンドーム内で打ち出される光子魚雷、特撮ならではのショットが満載。これは楽しい映画なのです。特撮監督は川北紘一さん。セットも大きいし、大谷石の採掘場を使ったロケ背景も良く出来ていて、コントロールされた撮

最好映画。 023 「斬る」 1968年。

集団と階層が入り乱れる、しかも楽しい時代劇。 誤解があるかもしれませんが、職人がきっちり作った「椿三十郎」だと思います。「赤ひげ」「さぶ」でもおなじみ、山本周五郎原作「砦山の十七日」。モヤっとしてキリリと切れる仲代達矢さんが、岡本喜八監督ならではキャスティング。脇のキャラクターが生きまくる一編。中丸忠雄さん、土屋嘉男さん、地井武男さん、久野征四郎さん、久保明さんの若い世代に、東野英治郎さんの家老、黒部“ウルトラマン”進さん、天本英世さんの守備隊、追手にはおなじみ中山豊さん。大

最好映画。 022 「座頭市」 1989年。

何がイイって、緒形拳さんと勝新太郎さんの最初の出会い。 握り飯を貰い食いした緒形拳さんが息を詰まらせ、10数秒。 「……………うまいなぁ〜〜〜!」 よく分からないんですが、毎回観るたびにここで泣けてしまいます。 大学生の頃、新宿松竹(今の新宿ピカデリー)でおじいちゃん達に混じって2回観ました。殺陣の速さ、話の複雑さ、わかり易さ、芸達者な役者さん達のアドリブ(冒頭の三木のり平さんんとのやりとり)。民謡を長々聴かせる宿のシーンに、子どもたちの私塾で笑われる座頭市。陣内孝則さん、内

最好映画。 021 「ジャズ大名」 1986年。

岡本喜八監督では最近ですが、85分が幸せに過ぎるという至福映画。もう出てくる人物すべてが楽しい。最初の20分は我慢しましょう。古谷一行さんが現れたら、もう最後まで走ります。脇役の楽しさが本当に溢れていて、利重剛さんから小川真司さんまで、ちょっとした台詞の応酬でキャラ立ちして、クスり笑いまで持っていかれます。そろばんスケボーとか細かい話は色々ありますが、酔狂な藩主とそれについてゆくのが必死の家臣達のドタバタ劇はツラい時に最高です。本田博太郎さんも本当においしいですが、頭にちょっ

最好映画。 020 「サイレント・ランニング」 1972年。

「2001年宇宙の旅」に参加していたダグラス・トランブルが自ら監督した映画。農園を背負った宇宙船で暮らす調査団の内紛。すっかり戦争ものかと思わせておきながら、後に残ったロボット達だけで農園宇宙船は地球圏を離れてゆく…で終わり。 そうとう暗い終幕ですが、ロボット達が何せかわいい。 ヒューイ、デューイ。ルーイ。 日本未公開の低予算映画として随分後に公開されてましたが、ビデオで観ました。ダグラス・トランブルってドラマを撮ったら意外と面白かったんじゃないかと思えます。結局、「ブレイン

最好映画。 019 「ブレインストーム」 1983年。

人の感覚をテープに記録して、他人が体感できるシステムを開発したチームがたどる騒動。特撮界の巨匠、ダグラス・トランブルの監督作品。劇映画は「サイレント・ランニング」「ブレイン・ストーム」の2本しかありません。特撮が邪魔せずストーリーが展開するのはさすがです。「ブレード・ランナー」と同時に進めてたんだからすごいと思います。原作のブルース・ジョエル・ルービンは「ゴースト」「ジェイコブス・ラダー」の脚本で有名ですが、SFというよりは幽霊な話ができる人で、この映画は意外でした。撮影を担

最好映画。 018 「フロム・ジ・アース/人類、月に立つ」 1998年。

アポロ計画大好きなんです。 1995年の映画「アポロ13」の後を追う形で作られた、ロン・ハワード制作、トムハンクスがガイド役を務めたHBOのテレビドラマ。 ここまで詳細に描かれたアポロ計画ものは見たことなかったので、それだけで最高でした。宇宙飛行士は、地質学を学ばなければならないとか、飛行の腕は必ずしも必要ではないとか、たくさんエピソードが詰まってます。マイケル・ライトの「FULL MOON」をお持ちの方には最高の映像。 「ファーストマン」が世に出るまでは、このドラマのニール

最好映画。 016  「未来世紀ブラジル」 1985年。

「ライトスタッフ」と並んで、不動の最好映画です。有楽町スバル座も含めて5回は観に行きました。頭の中ぶちまけるとこんな映画が撮れる人がいるんだ!ってオドロキ。テリー・ギリアム監督作品の中でも最高峰だと思ってます。「ジャバーウォッキー」「バンデットQ」「フィッシャー・キング」「バロン」の初期作品が大好きですが、これは別格です。撮影はロジャー・プラット。正統派英国撮影監督というイメージの人ですが「アベンジャーズ」も撮影してるんですね。音楽はこの年くらいから爆発的に売れたマイケル・ケ