おうちシネマ備忘録④
ああ!やっと新学期が始まった!
子どもたちは忙しい日々の再開に大変そうだけれど、母は自分だけの時間が持てるのでわくわくしている……。反対に子供たちがわくわくの長期休み前には、いろんな意味で気が重かったりもするのだが。
どこにも遠出できなかった今年の春休み、夕飯後の『おうちシネマ』時間が、私と次男のささやかな楽しみになっていた。
以下、毎度のことだがルール説明(?)である。
今回は私たちが春休み後半に鑑賞した3作品について備忘録を書いていこうと思う。
①ハドソン川の奇跡
飛行機に乗るのが大好きな次男。航空系の映画も大好物である。反対に飛行機が苦手な私は、そのジャンルの映画も得意ではない。
しかし、この作品がイーストウッド監督作品だったので以前から観たいと思っていたのだ。監督の作品はどこまでも映画らしく、鑑賞後の心に大きな余韻を残してくれる。
本作「ハドソン川の奇跡」も主人公のベテランパイロット、サリーや彼を取り巻く家族や同僚たちの心の機微を丹念に描いている。ご存知の通り、本作は実際の航空事故をモデルに作られている。
事故当時、最善と思ってとったハドソン川への不時着。後から考えてみるとその行動が正しかったのか、もっと違う方法があったのではないかと悪夢をみるくらいの不安を覚えたり、メディアによってどんどん英雄化されていく自分に戸惑うサリーに感情移入し、気づけば物語のなりゆきを手に汗握りつつ見守る自分がいた。
次男には少し難しかったかなと思ったが、鑑賞後に話してみると物語をほぼ理解出来ていて、我が子の成長を感じた(笑)。
②アルキメデスの大戦
お次は三田紀房の同名の漫画の映画化作品「アルキメデスの大戦」を鑑賞。
天才数学者、櫂直(かいただし)が、巨大戦艦建造費の見積もりの不正を暴くために海軍に招聘され、その100年に一度の天才と呼ばれる頭脳を駆使してこの難題に挑むストーリー。はい、そうです。私の大好きな理系天才が出てきます。
少年漫画特有のスポ根的要素や、ちょっと現実離れした設定が気になる部分もあるけれど、櫂役の菅田将暉やその下士官役の柄本佑の魅力的な演技もあって、楽しんで観ることができた。
歴史フィクションについては否定的な映画ファンも多いけれど、私はロマンがあって面白ければいいんじゃないかと思っている。
③ゴーカーツ
そして乗り物3連チャンの最後は「ゴーカーツ」。こちらはネトフリオリジナルの作品。
父を亡くし、母親と新しい街に引っ越してきた主人公ジャック。そこで新しい友人と、ゴーカートというスポーツに出会う。紆余曲折の後、ジャックは元有名レーサーでレース場の主人パトリックに師事することになり、そのずば抜けた才能と師匠の「ベスト・キッド」的な指導でめきめきと上達する。そして大会に出場することになるのだけれど、いろいろなトラブルも発生し……。ネタバレが怖いのであらすじはこれくらいにしよう。
この映画で印象的だったのは、ジャックのライバル選手ディーンの妹で、将来F1のエンジニアになるのを夢見る少女マンディの存在だ。大好きなレースの世界で兄は期待され活躍の場を得ているのに対し、自分は能力的には兄に全く劣らないのに、脇役としてしか扱われないことに不満を覚えている彼女。最終的にジャックのチームでその力を遺憾なく発揮する彼女の姿に、「リケジョ」のような言葉に違和感を覚える人たちみんなが共感したのではないだろうか。
自分では選ばないタイプの作品に出会えるのが魅力の『おうちシネマ』。また何か鑑賞したら記事にしたいと思う。
それでは!