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エモすぎ注意!シャルル・アズナヴール「ラ・ボエーム」

Bonjour! 東京から陸サーファー的にフランスを語るわたくし、新行内です。

昨日は月1で参加しているフランス語サークルの活動日だった。フランス語の授業のあと、シャンソン研究をしている。

今月の課題曲は シャルル・アズナヴールの大ヒット曲「ラ・ボエーム」だった。

アズナヴールと言えば、世界的にも有名なフランスを代表するシャンソン歌手であり、多数の映画にも出演する俳優である。(ピアニストを撃て!」での主役がよく知られている)

そのルーツは、両親ともにアルメニア系。シャルル・アズナヴールというフランス式の名前も芸名だそうだ。

子供の頃から芸能活動を開始し、エディット・ピアフにその才能を見い出されて一躍有名になり、2018年に94歳で亡くなるまでステージに立ち続けた。日本でも大変人気があり、彼の最後のステージは亡くなる約2週間前、東京と大阪でのコンサートであった。

まずは訳詞付きでお聴きください!


いかがでしたか?

≪ラ・ボエーム~ ラ・ボエーム~≫ のルフランのところは聴いたことがある方も多いはず。

この曲の題名、La Bohème というフランス語は、英語のBohemian(ボヘミアン)のことである。

ファッション用語としてもよく使用されるこの「ボヘミアン」とは一体なんのことなのか。

もともとは現在のチェコの西部・中部地方を指す歴史的地名ボヘミアに住むひとのことを指す言葉だが、現在ではボヘミアニズム的な生き方をする人々のことを言う場合が多い。

ボヘミアニズム(英: Bohemianism)は、自由奔放な生活を追求することを指す。そうした生き方を実践する者をボヘミアン(Bohemian)ないしはボエーム(仏: Bohème)と呼び、そうした人々が多く住むコミュニティーをボヘミア(Bohemia)という。(Wikipediaより引用)

この曲はまさにこのような、自由奔放な生き方をする若き芸術家の歌である。

「二十歳にも満たない若者たちには知る由もない話だけれど...」と歌いだし、曲の主人公が現代のボヘミア、パリのモンマルトルのおんぼろアパートに暮らし、ヌードモデルをする女性と巡り合い、お金は無かったけれど自分たちの才能と成功を信じ、絵を描き続けたかつての日々について歌い上げる。

曲の後半、彼は若かりし日々の話を終えて、あの頃に住んでいたモンマルトルを最近訪れた時のことを語りだす。その街のかつての生き生きした情景は消え失せ、咲き誇っていたリラは枯れ、モンマルトルは寂しそうだったと。そして歌う「僕らはあの頃、若くてイカれていたんだ」と。

想像するに、この曲の主人公はもう今では絵を描いていない。今は安定した暮らしを送っているのだろう。でも時々、かつての貧しくても幸せだった青春時代を狂おしいほどに懐かしむのだ。

なんともドラマチックな曲である。

この曲を歌うとき、アズナヴールは白いハンカチを使ってマイムをしながら歌いあげる。その姿はとても感動的で、何度見ても飽きることがない。

ひとことで言うと、エモい。

それでは À bientôt !

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新行内紀子(しんぎょうじのりこ)
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