素人の小説が一番面白い。
【読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?】
noteを開くとそう書かれていたので、しばし考えてみた。
本屋に入り浸って育った私。お小遣いの使い道はほとんどが本。残りは友達の誕生日プレゼントくらいだ。
そんな私が、今じゃ本屋には行かなくなった。
最近読んだ本を思い浮かべると、本屋には売っていない本ばかり思い付く。
あれは・・・
確か、母の同級生が描いた奇妙な小説。
老人が劇場型の若く美しい女性との恋愛の話だ。美女からの猛アプローチ。最後は美女がライオンに食われて死ぬのだが、遺体の頭部をバッグに入れて持ち帰るか、埋めたか、といった結末だったように思う。
2冊目に思い出したのは、飲食店を営んでいた男性から貰った小説。これも男性が絶世の美女と濃厚な恋愛をする話。下品な筆者の汗がキラキラと迸るのが目に浮かぶ作品。
3冊目は、父が途中まで執筆していた小説。お仕事小説だが、やはり此処にも美しく優秀な看護師がヒールでカツカツと登場する。
・・・・・・
おいぃっっ!笑
思わず仰け反った記憶が、ベストセラー小説よりも鮮明に残っているのはどういう訳か。
絶対に有り得ない設定で、あんな事もこんな事も、よくも描けるものだと。三人とも、磯野波平さんよりも一回りも二回りも上の男性だ。
“いい歳こいて”の極み。
だが、面白くないものは記憶から抜け落ちる。つまり、素人のじじいの描いた官能小説が一番面白いという事だ。
・・・・・・いや、
無論、小説の内容が面白いのではない。ベストセラー小説には決して描かれない様な、禁じ手が山ほど連ねてある。
「そんなこと描いて良いの!!!?」
恐らくこれである。
思えば、私の町には、痛快で有名な人物が多い。
恐ろしくセコい処世術を使う金持ち。
形振り構わず欲望を実現しようとする煩悩がはみ出ている公務員。
何度捕まっても違法行為を辞められない親を持つエリート。
いつも喪中で落ち込んでいる極道夫婦。
寧ろ、私の町では、日々の出来事の方が刺激的なのだろう。
思いも寄らないことが日々、現実には起こるものだ。みなさん。どうぞ広島へいらっしゃい。
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