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中間対応の結果どれくらいの可能性で特許(登録)査定になるのか

 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「中間対応の結果どれくらいの可能性で特許(登録)査定になるのか」について説明します。

 前回の投稿で「中間対応って何?」について、中間対応の結果、特許査定又は登録査定になることもあるし、拒絶査定となることもあると説明しました。
 しかし、お客さんからすると、この中間対応をするとどれくらいの可能性というか割合で特許査定又は登録査定になるのかが気になると思います。
 今回はこれについて説明します。

 結論から言うと、ケースバイケースです、ということになります。
 でも、これだと身も蓋もないので、できる範囲で説明しますね。

 先ず特許について述べます。
 特許の場合、中間対応の結果、およそ3分の2が特許査定になると思います。

 この根拠は、近年の特許査定率が約3分の2であるからです。
 もう少しいいますと、特許の場合は審査請求すると、殆どの案件に拒絶理由通知がなされます。

 しかし、拒絶理由通知がなされずに一発で特許査定となる案件も少しはあります。
 さらに、拒絶理由通知がなされても、対応せずに放置することも少しはあります。

 この一発案件と放置案件を差し引きすると、やっぱり3分の2くらいに落ち着くのだろうとのかなり大雑把な推測です 笑

 弊所の場合、具体的な数字を書くと弁理士会から怒られますので控えますが、3分の2以上の確率ではあります。
 きちんとした弁理士がきちんとした出願に対応すれば、それくらいの数字は行くのではないかと思います。

 注意点として、たまに特許査定率○○%と宣伝している弁理士がいます。
 これ、一般の人からしたら凄いと思われるかも知れませんが、プロからするとそうでもありません。
 私の知っているベテラン弁理士の言葉を借りれば、「権利範囲をどれだけ狭くしても良いなら全部特許査定にできる。」からです。

 もっとも、いくら権利範囲を狭くしても100%はないでしょう。
 それでも、しょぼい発明は出願自体を断るとか、出願段階から弁理士の好きに書いて良いなどの工夫をするなら、95%以上は特許査定にできると思います。

 知財部があるような企業では、無駄に権利範囲を狭くした特許なんて何の役にも立たないことを知っているので、その様なことはしません。
 しかし、知財に詳しくない企業だと、特許を取れるだけで満足して権利範囲まで考えが及ばないことがあります。
 すると、弁理士の言いなりになって、役に立たないような特許にお金を払うことになる可能性もあります。

 あと、企業の規模や考え方にもよりますが、特許になる可能性が低くてもあえて出願する場合があります。
 これは、自らが実施する技術なら、特許は難しいと判断しても同業他社をけん制することや、同業他社に権利を取得されないようにするために出願するからです。
 このような出願が多い企業だと、特許査定率はどうしても低くなってしまいます。
 しかし、このような一見すると無駄のような特許出願でも、同業他社へのけん制等の効果を考えれば、使い方によっては出願費用以上の元は取れると思います。

 さらにいいますと、景気の良い時代では、「バケツでも何でも良いから出願しとけ。」という企業もあったようです 笑
 これは出願件数を競うという意味もあるかと思いますが、こうなってくるとあまり高い特許査定率は望めません。
 個人的には、こういう良い時代を経験したいなとは思いますが。

 次に、意匠と商標ですが、これはまさしくケースバイケースです。
 意匠については、そもそも登録査定率が80%以上になります。
 拒絶理由通知もあまりなされません。

 商標の場合は、出願前の先行商標調査で、登録査定になるか否かのおよその可能性がわかります。
 難しそうな場合でも、商売上の都合からあえて出願するときもあります。

 そして意匠と商標ともに、拒絶理由通知がなされたとき、「審査官殿のおっしゃるとおりです、反論できません。」という場合と「これは反論する余地があるぞ。」という場合があります。

 ですので、意匠と商標はケースバイケースとしか言いようがないのです。

 いかがでしょうか、最後は少し切れが悪い書き方となってしまいましたが、中間対応について多少なりともご理解いただけたでしょうか。
 この記事が、御社のご発展の参考になれば幸いです。

坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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