終わりの見えない猛暑の中だからこそ得られた境地とは?
今年は梅雨明け前から猛暑日が連続するなど、非常に暑い日々が続いていましたが、梅雨が明けたら明けたで、また連日のように猛暑日や猛暑日に近い日が続き、週間天気予報を見るたびに、暑さが一段落する日が延びていってしまうというような事態に陥っていますね。
あと何日かやり過ごせば一息つけるのではという淡い期待は、もはや逃げ水のように遠ざかり、いつ果てるとも知らない無限ループのような日々が続いているような気がします。
私は「暑いのと寒いのとどっちがマシ?」と訊かれたら、以前であれば絶対に「暑い方がマシ!」と断言するほどのただの寒がりでしたが、ここ10年ほどですっかり暑さにも弱くなり、特にこの数年の猛暑には命の危険を感じるほどの恐怖を覚えて、今や暑いのも寒いのも苦手というただのヘタレになってしまいました。
特に今年は、まだ始まったばかりですがとんでもない猛暑のようで、しかもまだ終わりが見えないどころか中休みもままならない様子。どうやってこの夏を乗り切ったらいいのかも分からず、そのことを考えれば考えるほど途方に暮れ、憂鬱になっていくのでした。
天気なんてどうにも変えられる訳ないんだから、嘆くだけ無駄だと分かっているはずなのに、なかなか負の感情のループから逃れられずにいました。
しかし先日、気温35℃の猛暑の中で、この暑さにどう向き合えばいいのか、そのコツというか、自分の中で今までとは全く違う、新しい境地(感覚)が得られましたので、それがどんなものなのか、ご紹介したいと思います。
それは、一言で表現するなら
「暑さに対して自分を開く」
ということ。
さすがに短すぎるかもなので
もうちょっと足してみると
「暑さに対して自分を開き、周りとつながって、むしろそこからエネルギーをもらってしまう」
というものになります。
どういうことかというと、今までの自分は暑さに対して閉じていたと思うのです。暑さを感じると無意識に身体に力が入り、呼吸が浅くなり、息を詰めて暑さに耐える、我慢する。暑さに抵抗し、暑さからなんとか自分を守ろうと必死になっていました。
しかし、そのような態度は非常にエネルギーを消費するので、暑さが長く続けば、ただひたすらに消耗していくだけでキリがないなと、ある時、ちょっと絶望的な気持になってしまったのでした。
そこで先日、試しに 全く逆の態度をとってみたのです。つまり暑さに対して自分を開き、むしろ暑さを迎え入れるようにする。暑さとつながって、周りにあるエネルギーをむしろもらうようなつもりで、暑さと向き合ってみたのです。まあ、もう何というか破れかぶれでした。
すると、なんということでしょう!急につらさが遠ざかり、気分も軽くなってくるではないですか!暑いこと自体は変わらないけれど、その暑さがイヤなものでなくなっていきました。
不思議と目もぱっちりと見開けるようになり、いつの間にか口元も緩んでいました。さらにシャツの下でかいていた汗は、身体を冷やす適度な水分となり、吹く風も心地よく感じられるようになりました。この180度の変化には、自分自身もビックリでした。
実は、この変化の前にはちょっとしたきっかけがありました。1ヶ月ほど前、買い物などで外出した際、家の外に出て周りの空や緑や風などを感じると、何か気分が良くなるなと気づいたのでした。周りとつながってひとつになり、エネルギーが満ちる感覚とでも言うのでしょうか。
そして更に、今回の大きな変化が起きた前日のことです。夕方に外出から帰ると、外の蒸し暑さにやられたのか、身体が非常に消耗してしまい、その後私がやることになっていた夕飯の支度はできそうもない気がしていました。しかし、少し前に感じていた周りとつながる感覚を思い出し、これって別に外でなくてもできるよねと思ったので、家の中でその感覚になれるかどうかを試してみたのです。
すると身体の辛さがすっと軽くなってきて、身体が勝手に動くような感覚になり、それまで感じていた身体の疲れというか重さを感じなくなって、無事に夕食の準備から片づけまでやりきることができたのでした。
そんな流れがあった中での、件の猛暑の中での外出をしたのですが、やはり最初のうちはとんでもない暑さに辟易としていました。そこで前日の感覚を思い出し、周りとつながるようにして、暑さのエネルギーをいただくような感覚になってみたところ、急に暑さが気にならなくなり、足取りも軽くなったのでした。
それは、自分という感覚がうすれ、全体とひとつになっているような感覚と言いますか、自分で自分を守ろうと思わずに、力を抜いて全体に委ねる感じ。
例えれば、まるで熱いお風呂の中に身を沈めるような感覚で、暑さの中に自分を差し出して行くような感覚とでも言えばいいでしょうか。暑さの中に自分の意識が溶け出して、自分と外との境目がなくなってしまったような感覚。これは暑さと自分が分離した状態から、統合していく状態へ切り替わった状態と言えるのかもしれません。
とにかく一番強く感じられたのは
「開くとこんなに楽なんだ!」
ということでした。そして同時に、今までどれだけ防御のために無駄にエネルギーを使っていたのかも、強く思い知らされたのでした。
新年早々の記事でも書いたのですが、今年の私は、いかに外の現実に振り回されないようにするか、起こることに抵抗せずそのままを受け入れていくか、ということをテーマにしていて、日常生活で起こる様々なことを題材にしてその感覚を養おうとしてきましたが、実際にはなかなか難しいなと思うことが多かったのでした。
しかし今回得られた感覚は、その中でもひとつとても使えるというか、参考になるものになるんじゃないかなと思っています。実際、その後も猛暑の中何回か出かけましたが、その都度「暑い、暑い」と言いながらも、その顔は笑顔でいられたのでした。
今はこの「力を抜いて外の現実に自分を開いていく」という感覚を、別の状況でも使えないかと考えているところです。きっといろんなことに対して、応用できるのではないかなと思っているのですが、実際にやってみようとすると、そう簡単ではないと思わされるのでした。
例えば、私にとって長い間大きな課題となっているのは、病気に対する態度です。
自分や家族が病気になることに対して過敏に反応してしまい、ついつい自分にもうつってしまうのではと恐れて、自分を守ろうとしてしまったり、不安から過度に心配をしてしまったりする。そんな態度を、ずっと何とかしたいと思っているのですが、なかなか解決の糸口がみつかりません。
今回得られた感覚も上手く使えればいいのですが、このテーマに関してはまだできるイメージが湧いてこないというか、恐怖感が勝ってしまって、開くことができないのです。もしかしたら対人というところもポイントなのかも知れません。そうすると、これはこれでまた別のアプローチが必要なのかもしれませんね。
ただ、例えたったひとつのテーマについてであっても、それまでの自分を守ろうとして固く閉ざしていた状態に気づき、それを緩めて開いていくことで、得られる感覚がガラッと変わったという体験は、きっと次に生かせるものになるのではと思っています。
なので、引き続き日常生活の色々な場面でトライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ楽に生きられるようにしていければいいなと思っているところです。
最後にひとつご注意を。この記事は「どんなに暑くてもこうすれば大丈夫」ということを言っている訳ではなく、たまたま猛暑の中出かける必要があった私が「ちょっとした工夫で気分が楽になったかも」という体験をしたので、それについて共有しただけのものです。
ですから、熱中症危険度の高い本当に暑い日中などでは、やはり無理して外出するようなことは出来るだけ避けて、お身体を第一に考えていただきますようお願いします。特に、私は最近風邪ひいてしまったのですが、そうするとやっぱりそうは言っても少々しんどかったりしますので、体調の悪い時にはくれぐれもお試しにならないようご注意ください。
それから私は数年前から、夏に外出する時は必ず日傘をさしています。ですから今回も日傘を使った上で、それでも感じてしまう暑さをどう扱うか、という試みを今回してみたということになります。炎天下の中、帽子もかぶらずに暑さに身を晒してみたという訳では決してありませんので、その点もご理解のほどを。
ちなみに日傘はいいですよ!特に男性の方は日傘を使うのに抵抗があるかもしれませんが、夏の強烈な直射日光を遮ってくれる素晴らしいアイテムです。その効果は帽子の比ではないと個人的に思ってますので、よかったら是非一度試してみてください。あ、日傘をね。一度使うときっと止められなくなりますよ😁