縄文短歌 うちの猫篇
私にとって短歌の師匠といえるのは、今年の5月10日に亡くなった寒川猫持先生ただ一人です。実際にはお会いしたこともないので、私が勝手に弟子だと思っているだけですが……。猫持先生の歌集「猫とみれんと 猫持秀歌集」は、私にとって短歌のバイブルとなっています。ここに書いた短歌は、感謝の想いとともに、今は亡き猫持先生に捧げたいと思います。
うちの猫たち
心地良い方へと伸びる猫たちの示す彼方に私も伸びる
神様はタマの形で降臨す 高天原は埼玉でした
トラ坊主ちょっと小太り甘えん坊兄ちゃんだけど威厳は皆無
ハチ君の駆けてた場所はストリート おなごニャンにゃん鳴かせていたの?
タマちんは布団の中にもぐりこみ腋を嗅ぎつつ眠っています
トラちんが匍匐前進めざすのは股ぐら三角安全地帯
仏壇の菊まき散らし円かなるハチの瞳に仏カンカン
ストリート出身のハチ
一回もゲロを吐かないオレのこと「やしん坊だよ」と笑う父ちゃん
初めてのオイラのゲロは真っ赤っかそれを見つけた父はフリーズ
オロオロとオロオロオロとした父は母に言ったよ「ハチが死んじゃう」
獣医めが体温計で狙うのは尻を向けてたオレの肛門
オイ獣医いきなり尻に何をする指をガブリがオレの答えだ
チクショーめ点滴されてほんぽこになったお腹が重いじゃねえか
飯を食うオイラの姿をそっと見て父ちゃん泣くのなんでだろうな?