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人はこんなことでウツになるのか (池田 健)

 このところ私が関心を持っているテーマのひとつは、「職場のメンタルヘルス」の問題です。
 この問題は、最近多くの企業でもクローズアップされています。

 私も、本書の前にも1、2メンタルヘルス関係の本を手にとってみました。このBlogでも、「こんな上司が部下を追いつめる―産業医のファイルから」「会社がイヤになった」をご紹介したところですが、この本も、「ウツ症状」や「ウツ病」について、精神科医が書いた著作です。

 ただ、内容は、私が期待していたものとはかなり異なりました。
 私としては、現実的なシーンでの「ウツの原因」や「ウツ病の予防法・対処法」について、精神科医による解説が書かれていると思ったのですが・・・
 実際は、大半が「人嫌いな人」「疑い深い人」「ナルシスト」「情緒が安定しない人」「規則破りばかりする人」「非常に大げさな人」「過度に依存する人」「強迫的な人」といった8タイプの人たちにまつわる著者自身の経験談といったものでした。
 当然、その内容は「ウツ」に関わるものではありましたが・・・、私の問題意識にJust fitするものとはかなりの乖離がありました。

 とはいえ、世の中、いろいろなタイプの「ウツ」の人がいるんだということは実感として理解することはできましたし、ひとつなるほどというヒントになったのは、以下のような著者のアドバイスでした。

(p45より引用) 気分転換というと雑談や旅行をすぐに思い浮かべます。しかし、自分の殻に閉じこもることもひとつの気分転換の方法だととらえることは大切です。

 憂鬱な気分のときに、無理に頑張ろうとか思わないことだとよく言われます。
 著者は、一歩進んで、積極的な「自閉」も勧めています。空想の世界に遊んだり、過去の楽しい思い出にひたったりすることも、気分転換として有効との指摘です。これは新たな気づきですね。


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