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瞑想
地球は限りなく丸い
宇宙も丸くなろうと
住み慣れた星たちを動かしている
君も見ただろう
うごめくだけの人間たちを
嘲笑って
赤々と楽しげに落ちていった
私はフラフラと寝床から彷徨い
信じられぬ光景に唖然とした
君は知らないだろう
太古の人間たちも
酸素マスクで飛び出して
宇宙と己
あまりの大きさと小ささに
絶望を超えて呆れたものだ
果てがないのは宇宙だけではない
きらきらと輝いて
気持ちを伝え合うお星様
あなた方は知っていますね
「この前、下を見た時は
人間などいたかなあ」
あまりつれないことを
言わないでください
あなたが地球を見ていないのは
目薬で霞んだ時だけですよ
夜が明けて
重々しく瞼を開いた君
君はわかっただろう
眠っている脳を揺るがして
恐竜たちは我が物顔で闊歩していた
夜のしじまを打ち破り
ビルの群れは不気味に呼吸をしていた
一億年前の私は
空腹の恐竜たちに追われ続け
今は飲み込まれたビルから逃げ出した
そして
赤々と星屑は落ちてきて
星の王様は
「この前、下を見た時は
人間などいたかなあ」
にんまりと御腹を撫でながら
赤々と涙を流し続ける
織姫星、彦星を慰めたものだ