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夢まぼろし
秋と本はお似合いか
秋は読書をするにはもってこい
私は今、本ではなく
友から送られてきた書き起こしの文章を読んでいる
どっぷりとハマった私の生きがい
最初は芹沢光治良氏の本だった
母が見つけた「神の計画」
新聞の広告で知る
まさかそこから道につながるとは思わない
呼吸法を習っている時
仲良くなったキリちゃんにその本を借すとキリちゃんは「神の微笑」を買い求めて、今度は私に貸してくれる
その直後、奇跡が起こる
キリちゃんに誘われて、知り合いの方のお宅に食事に行くと
私達だけではなく、初対面の方もいた
私の横にはキリちゃん、キリちゃんの反対側には初めましてのかおるさんがいたのである
まるで仕組まれているかのように
キリちゃんがトイレに立つとそのお宅の本棚には芹沢氏の神シリーズが並んでいる
キリちゃんは私の耳元で囁くように「芹沢先生の本がある」という
そこで私の横にいたかおるさんが色めき出立つ
「えぇ、芹沢先生をご存知なの?」
キリちゃんと二人で「はい」と頷く
「私ね、天命庵に行っているの。今度お連れするわ」
はぁ、そんな唐突に、しかもかおるさんはこれからしばらくインドへ行くと言う
「来月インドから帰ってきたら、すぐに18日だから…その日の夕方◯時に川口駅の改札で待っていてね」
私は全てを見抜かれるという神さまの元へ行けるような人間なのか、自分はわがままで親にも迷惑を掛け続ける人間だから
今でもそうだけど自分ってものを低く見積もっている
そんなことを思い出す
キリちゃんも母ももう鬼籍の人
書き起こされ文言を一日でも早く読んで欲しいと友が送ってくれたもの
まるで物語りを読んでいるように必死に喰らい付いてゆく
そこには神の思惑が満ちている
不思議な不思議な言葉の数々が
いつか本になるのだろう
千年後、二千年後に
この書き記された言葉たちが
秋に読む
あまりの必死に読んだので日が暮れて一日があっという間に過ぎてゆく
この書き起こされた文章はいつか本になっていることを願う
わたしは未来のまぼろしを見ているのか
小牧さん
お題をいつも有難うございます
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