口と腹とは

大丈夫といいながら
本当は全然大丈夫ではない

我慢ばかりをしているのに
我慢なんかしてないよ

強がりばかり

ひとりになると涙があふれるのに
人前では平気な顔

泣いてしまうこともある
冷たくなった母の手を思いだし

なんで泣いているのか分からなかった
人様の暖かい手に触れて
涙があふれていた

突然に泣かれた方はたまらない
どうして泣くのか分からずに
ただオロオロしている

口では上手く言えなくて
かなしくて泣いているのではない
そのわけさえ伝えられない
もどかしさ
ただ涙が溢れるだけ

相変わらず心の中は整理なんか出来てない

何をどうすればいいのだろう

母はあの世で待っている
迎えてくれる

そんなこと言われたら
わたしは一日でも早く還りたくなる

でもそれは口が裂けても言えない

口と腹とは違うから