もういない
昨日までは暖かいストーブの前の仰臥椅子の指定席に座っていた母はもういない。
嘘のようなほんとの話し。
まだ肉体は有るけれど、脱け殻の母。
いとこは泣いた、トモちゃんのいない世界では生きていたくないと。
私は悲しいけれど、悲しくない。
母のがんばりを見ていたから。
私の方が迷惑ばかりをかけて、いつも母に甘えてばかり…。
時折母は「お前、いくつだよ。もう直ぐ61歳なのに幼すぎ!」と叱られた。
そんな母ももういない。
やっぱり泣けない私がいる。
まだ実感が湧かないから…
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