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月命日

明日、明日と先延ばしにするのがイヤになり
少し早いが酷暑の夕方
花を買いに行く

まだまだ暑い

お盆だから花は少し値が上がる
酷暑で花も持たないし
すぐに枯れてしまう
可愛い花は有るけれど
すぐに枯れるのは忍びない

ふと見ると
てっぽう百合の花束が目に入る
値段もお手頃で有る

百合は案外暑さに強い
本音を言えば
かつて母が買っていたピンクションが欲しかった
でも売ってない

ピンクションはまた今度
また今度はないかもしれない

買い物をして帰ろうか…と思ったものの
暑くて、暑くて

車に乗り
どこも寄らずにもと来た道をUターン

花束をバケツにいれ水で浸す

着ていたグリーンのシャツの背中は汗で水浸し
エアコンを入れてから
シャワーを浴びる

もう暑いのはイヤになる 
いつまでこの暑さ続くのだろうか


母の月命日も今回で20回目
それでもね、母がいないとさみしくなる
いつまで経っても慣れることはない

お供えの桃は用意してあるけれど
飲み物がないことに気づく

散歩がてらに
翌日の夕方に買いに行こう
いつものサイダーを手に取るが
今日は母の好きなミルクコーヒーに替えてみる

それだけ買えばいいのに
余計なものもいっぱい買う

まぁいいか…

日付の変わる前に花を飾る
もう既に仏花のリンドウは枯れていた
やっぱりなぁ
菊も少し枯れかかっている
二、三日持てばオンの字か

百合はいい香りを振り撒いて
母の遺影も笑ってる

お母さん、ちゃんと味わってよね
桃とミルクコーヒーを

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