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温かな気持ち


布団から出たくないな…

いつもそう思う
情けないわたし

昔々お昼寝をしている母の布団に潜り込み

母の手をきゅっと握りしめたことを思い出す

いつもいつも温かな母の手がよみがえる

実相の世界に還るまで温かかった

わたしの手は幼い頃からいつもいつも冷たかった
「あんたの手は冷たいね、お父さんみたい」
母に言われていた

わたしの血流の悪さは父に似ていた

ところがある時から
母に勝るとも劣らないくらいに
わたしの手も温かくなる

なぜだろう、どうしてだろうと考えても分からない
不思議である

冬の寒い日に布団に潜り
手だけを出す
冷たくて、冷たくて
凍えそうになる

そんな時いつも思い出すのは
母の温かい手のぬくもりだ

そして母の魂の抜けたあとの冷たい手

いつもいつも温かかった母の手は冷たくなっていた

かなしい、かなしい現実を見せつけられても受け止められず

わたしは母を探して泣いている

いつまでも、いつまでも

やさしい友は言う
「そんなの当たり前、わたしなんか父が亡くなって四十年、まだ時々泣くよ…」

温かな気持ちになる



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