心残り
年端もゆかない少年を残して母は旅立った
もう少し、もう少しと
どんなにか一緒にいたかっただろう
数年前から病に罹り
それでも必死に生きていて
少し前まで元気を取り戻した感じだった
少年ははにかみながらお母さんの横を歩く
わたしが「こんにちは」と声をかけると
そっぽを向いた
「ごめんなさい」とお母さんは私に謝る
謝らなくてもいいのにね
ただ恥ずかしいだけ
そんな少年を残して母は神様のもとに還ってゆく
お母さんは後悔ばかりが残るだろう
そして少年もさみしさを上手に隠す
こんな未来を誰が想像出来ただろうか
宇宙のお国にいる母と少年はいつも一緒に過ごすのだろうか
どこへゆくにも隣りにいる
見えないけれど
私には祈ることしか出来ない
少年がさみしい思いをしませんように
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