石川県名物の"設定がゆるくない"ゆるキャラ「ひゃくまんさん」の絵付けワークショップ
皆さんは、石川県金沢のご当地キャラクター「ひゃくまんさん」をご存知ですか?
企画当初から行政とデザイナーの濃ゆいディスカッションを重ねに重ねて生まれたスーパーハイスペックキャラクターです。レギュレーションが複雑なので当たり障りない程度に紹介しつつ今回参加させていただいた絵付けワークショップについて解説します。
「ひゃくまんさん」とは
「ひゃくまんさん」は15年春に開業した北陸新幹線をPRするために作られたゆるキャラです。だるまに似た石川県の伝統的な郷土品「加賀八幡起上り」をモチーフに、加賀友禅や九谷焼をイメージした華やかな模様があしらわれている、加賀百万石時代から現代に誇る文化芸術の要素もりもり全部入りオブジェクトです。
眉毛は金箔、ひげは輪島塗、背中には大きく「石川県」と書かれ、これでもかと県をアピールしているキャラクターなのです。詳しくは以下の公式ページにて...
アバンギャルドな後付け設定
北陸新幹線の開業記念という文脈なのに、大きなお腹周りは伸縮しないので新幹線の扉ところか県庁の扉や一般的な施設のエレベーターすらのれない、興行する場所が限定されるというお茶目なところも。
また、「起き上がりこぼし」という設定なのに転んで傷がつこうものなら可愛くない賠償が発生すると思いますし「中の人なんてきっといない」から、本当にいなくなるのではないかという不安すら覚えます。
ワークショップについて
今回参加させてもらった「ひゃくまんさん絵付けワークショップ」は金沢で活躍するデザイナー@riel548さんが、方々に交渉や努力のすえに実現した親子でも楽しめるデザインワークショップです。公式設定のデータを活用して3Dプリンタによる樹脂の加工で絵付け用の素体が実現でき、各々の考える可愛いひゃくまんさんの柄を自由に描き込める楽しいワークショップです。
描けば描くほどひゃくまんさんを愛でたくなること間違いなし。
絵付けの方法と面白ポイント
水彩絵の具で重ね塗りして乾かすというのを繰り返して、パターンのシールなどで模様を描いたりフリースタイルで行うので個性が出ます。ちゃんと水で溶いた絵の具を焦らずかわからないと意外と色むらなく綺麗になることができません。ワーク中は心地よい無の境地に至れます。
ベースの素体は大小2サイズから選べ、僕の場合は小さいサイズで加賀五彩を模した、5つのひゃくまんさん「ひゃくまんさんレンジャー」を目指して制作に当たりました。
加賀五彩の質感を目指して
加賀五彩とは石川県の伝統工芸で利用される、ゆうしょある5つのカラー(藍色、草色、臙脂、古代紫、黄土)です。加賀友禅、九谷焼などで活用されますが、ほんらい職人さんがこだわって利用する塗料と質感を水彩で再現するのは非常に難しいです。
僕の場合はデジタルプロダクトに慣れすぎているのでRGBや CMYKのカラーコードがないとスタイルできない腑抜けになってしまったので今回のようなハンドクラフトは非常に刺激になります。
なので、金色の下地をなった後に、それに近しい色をのせることで水彩ならではのパステル感やベタ塗り感を和らげた深みのある塗装を目指しました。
今回のワークショップは@riel548さんのご好意で、僕の運営するゲストハウスでも不定期で開催することとなりました。ひゃくまんさんももちろんですが、加賀市のキャラクターであるカモ丸くんなどのキャラクターも3Dプリンターを活用して絵付け体験の幅を増やし、上位ワークショップとして九谷焼や陶器の絵付けなどにチャレンジできるワークショップを考えてみようと思います。
作るは楽しい。地域暮らしっぽいデザインワークショップの接続はワクワクしますね!
皆さんもぜひご機会あったら参加してみてください。
@norinity1103でした。