地物の岩牡蠣をバールのようなものでこじ開けた
小ぶりですが地物の岩牡蠣をいただきました。野生の「夏ガキ」です。外郭に取り付いた石灰質と海藻のような何かがワイルドさを物語っていますね。
今回はこの加賀・橋立港のマルヤ水産さんで仕入れた岩牡蠣を開いて食したいと思います。
一口に牡蠣といっても
カキ(牡蠣)はウグイスガイ目イタボガキ科とベッコウガキ科に属する二枚貝の総称で、海の岩から「かきおとす」ことから「カキ」と言う名がついたといわれています。
また、英語でカキを指す“英語: oyster”(オイスター)は、日本語の「カキ」よりも更に広義に使われ、岩などについて育つ二枚貝のうち形がやや不定形で表面がゴツゴツしたものであれば、ほぼ全てが含まれるようです。
岩牡蠣と真牡蠣の違い
主に炭酸塩鉱物で形成された方解石からなる殻を持ち、大型でインパクトのある「イワガキ」と「マガキ」の2種が日本で代表的です。外見による分類が難しく、野外では属さえも判別できないこともあって未だに分類が困難な不思議な種です。
「岩牡蠣」は夏(6~9月)が旬で大きくてジューシーな味。「真牡蠣」は冬(1~4月)が旬で、旨味たっぷりでクリーミーな味わい。
バールのような何かでこじ開ける
衝動買いしたところに丁度いい工具があるわけもなく、DIYで使う大事な道具をだめにするわけにもいかず。百均のアイスピックと納屋で見つかった錆びついたノミをだめにしたタイミングでマイナスドライバーの万能さに気が付きました。もはや岩牡蠣の前も後ろも判別が難しいですが、二枚貝の開閉の付け根と思われる箇所をガッツリ撃ち抜いたら外すことに成功しました。
栄養価の高い殻は砕いて鶏のエサに
貝殻の成分は養鶏にはうってつけの栄養価になりますので後日ハンマーで砕いて餌に混ぜようと思います。カキは身にのみ栄養があると考えていますが、殻の中の海水を含む汁にも多くの栄養素が含まれているので新鮮な牡蠣はまるごと汁物に入れても栄養価が高まります。
カキの殻の表面は剃刀の刃のように薄いものが重なっており、解体の際には軍手などの手袋を用いないと手を怪我しますので注意しましょう。
殻ごと茹でた汁で下味をつける
新鮮な牡蠣は海の味がすると表現されますが、今回はなおのこと前述の殻の栄養もいただこうと思います。茹で汁に粗塩と日本酒を加えて蒸し焼きます。火を通しすぎると身が縮んでしまうので適度にレアで仕上げます。
実食: 地物岩牡蠣の酒蒸し
危険を乗り越えてたどり着きました。ほかほかご飯と岩牡蠣の素材の味を楽しむ酒蒸しです。汁も美味しくシンプルに素材をいただきます。
有名所の養殖カキも身が大きくて美味しいですが、地物の岩牡蠣はワイルドで奥深い余韻があるように感じます(多分)値段もそこそこにやすかったんで殻割りの要領を覚えているうちにオイスター料理をもう少しチャレンジしたいところ。
まとめ
カキと言えば食中中毒とかアレルギーという印象で、残念ながら食べられない人が多いという話をよく聞きます。しかし専門の人に聞いてみると、牡蠣といえば食中毒・ノロウィルスという話は風評的な部分もあり、このような事象は前回紹介したサザエやバイ貝にも同じようなリスクはあるとのことです。
英語圏では「R」のつかない月は、カキを食べないという風習があるようですが養殖環境のカイゼンで消えつつあり、環境的には有毒プランクトン増えやすい3~5月の生食を避ければ貝毒由来の中毒は大幅に防ぐことが可能とのこと。正しい知識は、食の可能性を広げますね。
次回もお楽しみに。@norinity1103 でした。
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