幸せについて考える
幸福度のU字曲線
ブルッキングス研究所の研究によると、人生における幸福度は30代、40代で下降し、50代で底をつくが、その後は緩やかに上昇し、U字曲線を描くことが明らかになっています。
このU字曲線は、世界中のどの地域や国の人々にも共通しており、類人猿にすら見られる普遍的な現象だとされています。
なぜU字曲線を描くのか?
一般に、30代半ばから40代は、仕事が順調で社会的に評価される時期です。
しかし、達成感を味わった後、再び不満を感じてしまうのがこの中年期の特徴です。
その理由は、この時期が「どれだけ野心を持ち、どれほど競争に勝つことができるか」といった観点で自分に価値を見出す時期だからだとラウシュは述べています。
つまり、目標や夢を達成しても、同僚や友人などと自分を比較し、「自分はまだまだ」と満足感を得られないのです。
しかし、このような焦燥感も50代に入ると落ち着いてきます。
親や知人の死に向き合うなど、多くの人生経験を通じて人間としての深みが増し、「人との関わりや人への思いやりを重視する時期」へと移行していくからです。
フォーカシング・イリュージョン:お金が増えても幸福にならない
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、実際には幸福にならないものを幸福になると思い込み、それを求める人々の傾向を指摘しました。
これが「フォーカシング・イリュージョン」と呼ばれる現象であり、現代人が抱く共通の幻想です。
仏教の教え
仏教では、誰もが心の安らぎ・調和・幸せを求めていますが、それに関する願いが叶うかどうかにかかわらず、結局は満足することがないという事実を教えています。
この教えを「一切皆苦」といい、もっともっとと渇望することが苦しみの原因であると説きます。
人間の脳は「快」を幸福だと勘違いしますが、仏教では「快」も「不快」も苦しみであるとされ、これらに依存しないことが重要とされています。
感覚の働きとその影響
仏教では、以下の感覚が「快」や「不快」と結びつき、その結果、心に乱れが生じると説きます:
- 眼(目で見る)
- 耳(耳で聞く)
- 鼻(匂いを嗅ぐ)
- 舌(味わう)
- 身(触れる)
- 意(心に思う)
これらの感覚を通じて、「快」が「喜び」に変わり、それが「貪欲」に、つまりもっともっとと渇望する心を生みます。
また、「不快」は「怒り」に変わり、それが「瞋恚(しんに)」、すなわち心の乱れ、苛立ち、嫌悪感を生み出します。
あなたの幸せはどこにあるのでしょうね。
皆さんがこの投稿で少しでも幸せになることを考えてくれたら幸いです♪