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道から外れてボカディージョ【ポルトガルの道#6】

ポルトガルの道、歩き旅6日目。
昨日は19kmしか歩かず、足や体的には物足りなかったが、その分宿でゆっくりと韓国人夫婦と話せて、宴会ができたので、楽しかった。それにしても、毎日毎日いろんな人と出会って仲良くなれるから、楽しいし不思議。

世界多分一周旅中ではあるが、私のライフワークともいえる歩き続ける旅「カミーノ」を、長旅の途中に組み込んだ。
通称「カミーノ」とは、スペインの北西にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラという町の大聖堂を目指して、そこへと繋がる巡礼路がいくつもあり、道ごとが世界遺産認定されている美しい道。2015年~2017年に「フランス人の道」というフランスから東西に延びる800㎞のメジャーなルートを歩き通し、次に2019年と2023年にフランス国内のルート「ルピュイの道」を少しずつ歩いていた後、私が選んだのは「ポルトガルの道」。
世界一周の旅の途中にポルトガルのポルトに飛び、そこから海岸沿いのルートをずっと北上して、スペインへと国境を越えて、270㎞先のサンティアゴを目指して毎日歩く。その記録。
マガジン「380km歩き旅!ポルトガルの道」にまとめています。

長すぎる前置き


今日は予定では、昨日の1.5倍の30km以上は歩くし、泊まる宿は丘の上にあるようだ。「ようだ」と言うのは、適当に予約してみた後に宿の場所と標高を確認したら、少し巡礼路から外れた丘の上にあることが分かり、あちゃー、やってしまった、嘘やん嘘やん、となったから。何もかも確認して宿の予約をするのは難しいし、面倒くさい。
そんな6日目は、なんとスペイン時間の朝6:15に出発。2日前にいたポルトガル時間では5:15である。ビールを飲んだ宴会の翌朝なのに、我ながら元気で良い。夜明け前の海を独り占めできるから気分も良い。朝から山を越えたりもできちゃうくらい、調子が良い。

横長の写真は全てRICOHのGR
宿の無料コーナーから貰ったミニケーキ。
サンティアゴまで141kmと書いてある!

今朝も絶賛食糧難。宿の無料コーナーから3つ貰ったミニケーキと、通りすがりの人から貰ったオレンジと、板チョコとどこかのパンの残り。そしてタッパーに入れたチーズとろりんのみ。
今日こそ、遠回りをしようが、午前中であろうが、スーペルメルカド(スーパーマーケット)に必ず寄る。
これが本日のミッションだと確認した。

チーズとろりんはもちろん今日も美味しい

そして!
まだ午前中だが、大型スーペルメルカド、カルフールを発見!!残りまだ20kmほど歩かないといけないから、あまり荷物を重くしたくはない。とはいえ、食糧難が続きすぎると精神衛生上良くない。すでに最近のnoteは食糧の話が中心になりつつある。重いものを避けつつ、腹の足しになるものを考え、お菓子じゃなく食事になるものを考えた結果。

ハモンセラーノとバゲットで、1.4€(210円)!

バゲットと生ハムを買った!
よし。これで、どこか、ここぞといういい場所でボカディージョを食べる
これが次のミッションだと確認。
やる気が出てきてサクサク進んだ。

サンティアゴまであと125kmになった!

サクサク進みすぎて道を間違えてしまい、本来歩くルートから逸れてしまったことに、だいぶ経ってから気づいた。
そういえば今日は山越えがいくつかあるルートだったのに、ついつい癖で海岸沿いに勝手に戻ってきてしまった。
地図を確認し、作戦会議に入る。
今から山越えのルートに戻るか、巡礼路ではない海岸沿いを、ひたすら歩いて北上していき、目的地に近づいたら海岸沿いから内陸部へ戻り、登っていくか。
迷った挙句、今日は天気が良くて暑くなりそうだったため、山越えを避けて、海岸沿いを歩くことにした。
暑さを理由に正式な巡礼ルートを選ばない時点で、もはや巡礼旅でも巡礼者でもないのだが、いいのいいの、気楽な歩き旅だから。
それに、どこか良い海岸で海を見ながらボカディージョを食べられたら、今日のミッションは達成なのだから。
そう思って道を左に進み、海に出たら、そこに、これまでで一番綺麗で静かな海が広がっていた。

アメリカじゃなくここはスペイン
かもめが向こうに。

このビーチ、一番好きかも。
いやあ、道を間違えてみるもんだなと唸った。本来の歩くべきルートから外れているせいで、歩いている旅人は1人もいない。地元っ子と思われる人がちらほら散歩したり、ピクニックをしていたりするけれど、こんなに綺麗なのに、こんなに人がいないビーチに来たのは初めてかもしれない。潮風も暴風ではなく、理想のボリュームで心地よい潮風だ。
かもめしかいない場所で、ベンチに腰掛けて、ボカディージョを食べることにした。
タイのチェンマイで一緒に過ごした思い出にとして友達から餞別でもらったチェンマイのミニまな板の上で、バゲットをちぎり、真ん中を切る。
チーズとろりんを舐めつつ、ちょびっとパンの中に塗ってみて、生ハムを挟む。
ボカディージョってこんなにシンプルなのに、なんでこんなに美味しいのだろう!
¡VIVA ESPAÑA!
スペインのハモン(生ハム)、ちょうど良いパサつきのバゲット。ボカディージョにするにはこれくらいパサついてた方が好みなので、ちょうど良い。
これぞスペイン(+ポルトガルのチーズとろりん)の味。
もう踊り出したいくらい美味しい。

私にとっては、これを肴にワイン1本飲み続けることが可能な写真。

大勢が進む敷かれたレールを降りた時に、思いがけない景色が広がっている可能性は無限大。
たまには道を外れて、回り道や寄り道をするべきだなと改めて思った。
人生の話。

長い間、ぼーっとして過ごし、しまった、長居しすぎたかもと我に返り、そのままずっと美しいビーチを歩き続けた。
結果的に近道だったようで、30kmも歩かないまま宿に着いた。
最後の急勾配の上り坂がかなりハードだったが宿に着くとまだチェックインできない時間帯だったため、宿の玄関にバックパックを放り投げ、隣のバルへ行き
とりあえず生ビールを注文。
そしたら生ビールと一緒に、サービスでトルティージャ(スペイン風オムレツ)をつけてもらえた。
あっという間に回復した。

やたらと食べ物を恵んでもらえる系旅人
宿の庭に咲いてた花。
時計草っていうらしい。
英語でpassion flowerだけど、情熱のパッションではなく受難の方。
キリストの受難、十字架に見えなくもない。
豆知識。

この宿もまたルートから外れた場所にあったから、宿泊ゲストは私とモンテネグロのボーイフレンドこと、デンの2人だけ。彼とこの日の出来事や、その後の再会などはこちらに書いたので、今回は省略。(こちらをどうぞ↓)


さっさと寝たかったのに、色々あって20:40にデンと2人でディナーを食べて、次の日の何回目かの朝食か、ランチ用にハンバーガーをテイクアウトした。巨大ハンバーガーも1.5€(225円)でお手頃すぎてびっくりした。

何度見てもポテトフライで隠されている、
メインの豚肉。
スペインの盛り付け。

本日の歩みは、
ポルトガルの道6日目
MougasからSaiansまで。
40,000歩強、一応30km、9時間(ビーチでぼーっとした時間も含む)。
ポルトから163km進んで、
サンティアゴまで残り117km。

半分は超えたけど、まだまだ続く…

黄色が本来のルート。
赤線の海岸線を進んだので
結果的にショートカットになった。

本日の旅の必需品は、前回お見せしたシルクシーツを収納してる、シーツがちょうど入るE.T.のポーチ。枕元に置いて見守ってくれている。アジアからずっと一緒に旅している。↓

本日の宿↓




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のりまき
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