4年ぶりのマドリードなのにシエスタすぎた。【世界多分一周旅スペイン】
2023年5月。ルピュイの道の巡礼歩き旅を終えて、フランスの田舎町から一晩でスペイン、マドリードまでやって来た。歩きすぎて右足の親指の爪が剥がれかけているという事情で、足の休養の意味もあるのだが、昨日も今日もあまり休養はできていない。
何度も来ている大好きなスペイン、マドリードでの本日のミッションは、足を休ませること、足の親指の爪を保護するためのものを買うこと、そしてさらに荷物を減らして軽量化を図ること。
それを1日でやっつけて、翌朝にはポルトガルのポルトへ飛行機で向かうという、移動日と移動日の合間、単に用事を片付ける日である。
ルピュイの道の旅のような歩き旅は、毎日毎日が歩き続ける日の連続なのだが、世界多分一周旅という長めの旅を続けていると、移動する日もあれば、その土地をじっくり観光したり遊びまわる日もあり、その合間にいろんな調べものをしまくる日、バスの予約や宿探しをする日、映画やドラマや本を読むことに使う日、疲れたからただただ休養する日もあったりする。
こういう日の記録はあまり人目に触れない傾向にあり、なかったことのようにされる。おかげで世界一周をしている旅人は毎日毎日をヒャッハー!とはしゃいで動き回っているかのような印象になるが、私のような、若さが少しだけ足りない旅人は、休養やゴロゴロする日の合間に、移動や観光をしているかのような旅の日々だったりもする。
なので、そんな私の、1泊しかいないマドリード(この後、4か月以内に3回ほどマドリードを訪れることにはなったけど)で、特に目玉となる観光もせず過ごした日の記録を。
まず、とにかく眠い。
珍しく(というかこの時が唯一)夜行バスで全く眠れなかったので、早く横になりたいという気持ちしかない。
マドリードに来たら必ず寄るSol駅近くのMuseo del jamónでいつものボカディージョを注文。
寝ぼけていたので、いつものではなく、少し高いチーズの入っているタイプを間違えて注文してしまった。バックパックを下ろす気力もなく、背負ったまま半分目を閉じながらほおばり、食べ終わったらさっさと予約している宿へ向かった。
宿は、今回初めて泊まる場所で、超有名な長蛇の列をなすチョコラテリア、チュロスの店「San Ginés(サン・ヒネス)」の上にあった。
分かりやすくていい。
サンヒネスは24時間営業しているチュロス屋なので、いつでも行けるから、上から見下ろして列の長さをチェックして、空いているチャンスを見て行けるなとテンションが上がった。
チェックインは15時だが、まだ朝の9時。とりあえず先に荷物だけを預けさせてもらうことにした。あわよくば横にならせてもらえるかと思ったが無理だった。残念。眠い。
翌日ポルトガルのポルトに向かい、ポルトから2週間ほどかけてスペインのサンティアゴデコンポステーラへと続くポルトガルの道という巡礼路を歩く予定で、ルピュイの道を歩いている時にバックパックの重さに嘆き続けていたので、もっと荷物を軽くすべく、不要なものを3.5㎏を持って、郵便局へ向かった。El corte Inglés(通称エルコルテ、もしくはデパート)の中に郵便局があったので、巡礼のゴール地点のサンティアゴにある郵便局に局留めで荷物を送るミッションに取り組んだ。3.5kgで18€(2700円)だった。
これで荷物の総重量は水を入れたとしても11kgほどになったから、もう少し軽やかに歩けるはずである。
それから、足の爪を保護してカバーできる固めの何かを探し求めて歩いた。いっそのこと爪が剥がれてしまえば楽なのだが、まだグラグラぶらぶらしているだけの状態なので、靴の中で当たって痛むため、プラスチックの何かを被せたり固定しておきたかったのだが、あまりコレというものがなかった。
仕方がないので、テーピングと絆創膏を追加で購入しておいた。そのうち爪も剥がれるだろうけど、気休めにテープを巻くことにした。
これも一応ミッション終了。
ランチに何を食べようかなとぶらぶら歩いていると、何やら気になるポスターを発見。7月にマドリードで音楽フェスティバルがあるらしい。
メンバー最高ですやんやんやん。
これは、狙おうかな。
写真に撮って、予定を念のためメモしておく。海外でのフェス、ライブに参加するのは私の野望である。とはいえ2か月先なので、見通しは全く立たないから一旦忘れるとして。
(そして、結局、行った↓)
次に、私の愛するデヴィッドボウイのExhibitionのポスターを発見。そういえば、初めての巡礼旅でパリに来た時も、ボウイのExhibitionが行われていて見に行ったのだった。ご縁があるということで、マドリードの会場まで行ってみたが、入場料がお財布事情的にOK出せない料金だったので断念した。
そしてその分美味しいランチを食べようじゃないかと思ったが、眠すぎる頭に浮かんだものがこれしかなかった。
ラーメン。
そう、ボウイと同じくらい私が愛するラーメンである。
スペインに来てまでラーメン?というお言葉は無視。寝不足と空腹が合わさった時、私の頭に浮かぶのはラーメンしかなかった。この後、まだまだ続くヨーロッパ旅で、首都という都会に来ては、ラーメン屋を探すということを繰り返していた。思えば、インドでもそうだったけど。
ラーメンは、寝不足や移動疲れの日本人旅人を救う。
そう言いきれるような気がする昼下がり。揚げ餃子とすぐにぬるくなった温度感のラーメンを完食。
さっさと宿に戻った。
まだ14時前だったが、宿で先にシャワーを浴びさせてもらえた。「Social」という名前のこの宿には、リモートワークをする人たち向けのスペースがあって、どの部屋も清潔でキッチンもオシャレ。カギもメッセージで暗証番号が送られてきて、それを入力して出入りする仕組みで、フロントもスタッフもいない。携帯が使える人であれば、めちゃくちゃ便利だと思うので、絶賛おすすめである。
そして1泊20€(3000円くらい)。
こんな便利な場所で、こんな清潔な女性ドミでこの安さは大当たりだと思った。
チェックイン時間より早く、部屋の準備ができたよとメッセージがきたので、そのまま14時頃にベッドに倒れ込んで眠った。
そして次に目を覚ましたのがもう20時。
なんと。
14時から6時間もノンストップで昼寝をしてしまった。シエスタ文化のスペイン人もびっくりである。
あわてて飛び起きてみたものの、特に用事はない。
せっかく4年ぶりのスペインに来たというのに、ラーメン食べて寝て終わっていいのか私。まあいいか。いや、ちょっと何か食べに行こうかな。いやいやもう寝とこうかな。
そんな葛藤の末、何となく散歩に出かけて、サンミゲル市場に向かう。こちらもいつも行く場所なので、地図なしでお散歩がてら歩いて向かい、適当にタパスを食べワインを飲んだ。
寝ぼけていて、タパスの美味しさ以外、4年ぶりのスペインの感動が何もない。
明日は早朝に空港に向かわないといけないから、早々に来た道を戻ることにした。
そういえば、なんだかチュロスを食べる気分にもならんなあと、チュロス屋の行列を横目に見ながら宿に戻った。
4年の間、コロナ禍の苦しい時期に、スペイン、マドリードのサン・ヒネスのチュロスを何度も思い出したと言うのに、さっさと素通り、ベッドへGoである。
なんでこんなに眠いのか。
きっと、昨夜、酔い止めの薬を飲んだのを忘れてもう1回飲んだせいだと思う。
どうして、バスに乗っている間にこの効果を発揮してくれなかったのか恨みつつ、再び眠りについた。
翌朝。
5時に起き、急いでチェックアウト。
ここの宿のいいところは、チェックインもチェックアウトも基本的に無人で、メッセージでのやり取りで済むことだけど、ちょっと寂しくもある。誰もいない通路を通って、扉を開けて出て行けば終わり。
そして、メトロに乗り込み空港へ。
プライオリティパスの恩恵を受けて、空港ではラウンジに入ってがっつりご飯を食べることにしているので、よく寝て冴えた頭でパンやフルーツ、4年ぶりのスペインの美味しいオレンジジュースを飲みまくる。
さよなら、マドリード。
また来るよ。
次にスペインに入る時は歩いて国境を越えてるんだよ私。
先のことを考えると少し楽しみになった。
さて、マドリードなんて立ち寄らなかったかのように、ささーっと流して、
次はポルトガル、2度目のポルトへ。