海外ドラマのよもやまヤサグレ話
友達のしめちゃんが今はまっているドラマが、Netflixの「ストレンジャー・シングス」である。
以前のヤサグレ会でしめちゃんに熱く語られて勧められたので、ちょうどスペインのドラマ「ペーパー・ハウス」を見終えた私は、つい最近から見始めた。
しめちゃんいわく、スタンドバイミーとグーニーズやE.Tに(どれももれなく古い)、「HEROES」とかの特殊能力系のジャンルを足したようなドラマだと言われた。
「ストレンジャー・シングス」は、なるほど面白いのだが、私はガキどもがたくさん出るドラマは好きではないのでどうかな~と様子を見ているのだが、私としめちゃんの胸アツポイントとしてウィノナ・ライダーが出ているというところ。
ウィノナがヨレヨレでギリギリのオカンの役なのだが、老けたとはいえ美しいし、しめちゃんいわくやっぱり芝居がうまい。(しめちゃんは「演技」と言わずに必ず「芝居」と言う。なんでか知らないけどそこはこだわっているようだ。)
ウィノナが大好きすぎて、私は20代の頃、映画「リアリティ・バイツ」のウィノナのポストカードを美容院に持っていって、このショートヘアにしろという無理難題を言ったことがある。(あと「シカゴ」のキャサリン・ゼタ・ジョーンズの写真も美容院に持って行ったことがあるくらい自分を分かっていない代表的なアジア顔の日本人である。)
「リアリティ・バイツ」はマイシャローナで踊ってるウィノナが可愛い。(あと、イーサンホーク好き)
「ビートルジュース」も好きだし、言うまでもなく「シザーハンズ」ね、大好きだった。
今でこそボロボロのジョニー・デップだが(若い女にうつつを抜かすからそういうことになる)、ウィノナ・フォーエバーの時が私は一番好きだったりする。しめちゃんはケイトモスとの時が好きらしいが。
そんなウィノナちゃんが万引きしたりボロボロになったのちに、50歳で完全カムバックしたと私たちは歓喜している。
そのウィノナを見られるだけでも「ストレンジャー・シングス」を見る価値はあるかも知れない。
しめちゃんいわく(全部しめちゃんの責任にしている)「ストレンジャー・シングスは、出てくる子役がパッとしないガキどもばかりなのがリアルで良い」らしい。
飛びぬけて可愛い子役ばかりを使っていない分、芝居が上手で見ていられるようだ。
確かにイケメンは一人もいないしイケメンになりそうなガキも出ていない。
だけどそこまで熱狂はしないかな~というのが私たちの今のところの評価である。
私たちは海外(主にアメリカ)ドラマフリークなので、これまで色んな海外のドラマを見てきた。
「熱狂という名にふさわしい海外ドラマって何やった?」というテーマに移り、私としめちゃんの2人で語り合った。
まず2人の共通認識として、現在佳境を迎えている(らしい)「ザ・ウォーキング・デッド」が近年最も2人が熱狂しているドラマである。
ゾンビアポカリプスのドラマなのに、ゾンビより人間が1番怖いというテーマになってきているやつ。
10年間FOXチャンネルで「ウォーキング・デッド」を見てきて、最終シーズンだけ、突然ディズニー・プラス・チャンネルだけの独占放送になったことを私は一生許さない。
私のこの10年間の熱狂をそんな形で裏切ったのだから、絶対にディズニーチャンネルを許さない。
何度か私も歩み寄って、ディズニーシーで耳をつけて楽しませてもらって和解しかけたが、無理だ。
もう一度書く。
ディズニー、許さない。
ディズニーは元々嫌いなので、チャンネル契約はどうしてもしたくないので、amazonかNetflixにいつか落ちてくるのを泣く泣く待つことにした。
ディズニーチャンネルついでに言うと、「オビ=ワン・ケノービ」のドラマ化もディズニーで独占したことを、私は来世になっても許さない。
スターウォーズが大好きでオビワンが一番好きだというこの私のオビワンへの愛を知ってか知らずか(知らんと思うが)、ディズニーが独占した。
ユアン、そりゃないぜ。
ユアン・マクレガーに会いにイギリスまで行って舞台を見て出待ちした女にひどい仕打ち。
オビワンのことをどれだけ好きか、もしも独占放映権が覆るなら、ここで語りたいよ。
まあ、ディズニープラスチャンネルへの恨みは余談なので、そろそろ本題に戻るとして。
「ウォーキングデッド」、そして「24」、「LOST」
この辺りが間違いなく私たち2人が熱狂していたドラマである。
「LOST」も何年も続けて見てきて、最後は変な世界観に変わって尻すぼみで終わったが、前半はもうそれはそれは刺激的なドラマで夢中で見ていた。
熱狂とまではいかないが、好きで見ていたり何度も繰り返し見てDVDを家に飾っているドラマとしては、しめちゃんは「セックス・アンド・ザ・シティー」で私は「フレンズ」。
2人ともどちらのドラマもかなりはまって見ていたが、DVDを買ったドラマは分かれた。
私たちはジェニファー・アニストンをいまだにレイチェルと呼ぶし、SJPをキャリーと呼んでいる。
あとは、医療系の「ER」や「Dr.ハウス」「グレイズアナトミー」も見ていたし、「Lの世界」とか「デスパレートな妻たち」「アグリーベティー」「HOMELAND」とか思い出せないくらい色々見てきた。イギリスドラマとして「シャーロック」も見た。韓国ドラマも一瞬はまって私は「天国の階段」、しめちゃんは今も韓国ドラマの「ミスターサンシャイン」を見ている。
そういやしめちゃんは「プリズンブレイク」のウェントワースが好きだと言っていた時代があったし、私はいつまでもトニー・アルメイダって言ってた時代があった。
かと思えば私がクォン・サンウに夢中になって、しめちゃんがイ・ビョンホンに夢中になった時代もあって。
海外ドラマの中でも、2人しか見てないんちゃうか?というマニアックな「NIP TUCK マイアミ整形外科医」はむちゃくちゃ面白かったのだが、全然有名ではない。
気持ち悪くて人間の性とか欲とかが、ドロドロとうごめいていて、エログロシーンが多くて「あのドラマを見ている」と人に言えないドラマであった。脂肪吸引のオペってあんな感じでするのかと思うと、恐ろしくてもう一生やる気にならない。
居酒屋で2人でこのドラマの話をする時だけひそひそ話になった。
そんな卑猥なドラマだったが最高だった。(これも例に漏れず尻すぼみしたドラマではあるが)
アメリカのドラマって、息が長いものとすぐに打ち切られるものとがあって、打ち切られるなら日本に持ってきて放送しないでよと思う時もある。
すごく面白かったのに全然次のシーズンが始まらないと思っていたら打ち切られていた「SMASH」とか「ダーマ&グレッグ」とか。(ちなみに私はダーマが憧れの女性である。)SMASHなんて、スピルバーグ監修のドラマで、ミュージカルでのマリリンモンロー役を奪い合うストーリー展開がめちゃくちゃ面白かったのに、何で打ち切るかね。
どんなにがっかりしたことか。やれやれ。
ただ、長く何年もドラマが続くとそれはそれで問題が出てきて、ロングヒットになるから無名の俳優たちが人気者になって映画に出始めるのである。
あるいはギャラ交渉の難航。スケジュールが合わなくなってドラマを降板するパターン。
それはないやろ、と全アメリカ人を代表して叱りつけたくなる。
特に「ウォーキング・デッド」に多い。
この裏切り者が!と思ってしまう。
あとは、長く続きすぎて主人公が途中で変わるパターンも割とある。
「ウォーキング・デッド」なんて主人公だったリックなんかとっくにいないし、一番のイケメンの俺たちのダリルは太って顔もむくんで別人みたいになってしまった。(それでも格好いいけどな。)長く放送しすぎて、子役だけが時空を越えて、突然背が伸びて声変わりをしてヒゲが生えてて辻褄が合わないこともよくある。あれはどうにもならないからかわいそうだが。
私たち世代にとっての元祖アメリカドラマである「ビバリーヒルズ高校(青春)白書」もミネソタからやってきた双子が主人公だったのに、後半は2人ともいなかった。あの2人はどこ行った、って何億人もが思ったんではないかな。
「Glee」も大好きだったが、主人公を演じていたコリー・モンテュースは、まだドラマが途中なのにODで亡くなってしまって見ていて辛かった。なんでなんだ?という思いが残り、明るくて楽しいドラマに影が落とされた。他にも亡くなった俳優が多数出て、Gleeを見返すのが辛い。
しめちゃんは未だに「LOST」の制作陣の後半のストーリー展開についてものすごく怒っているのだが、私はロバート・ダウニー・Jr.(以下RDJに略)のことをまだ許せない。
数ある海外ドラマの中で、私にとって一番特別に大好きなドラマはダントツで「アリーmy love」なのだが、たくさんの恋と失恋を繰り返して、ようやくアリーがラリーという素敵すぎるパートナーを見つけてシーズン4の最終回で結婚する直前だった。そのラリー役のRDJが薬物で捕まって突然降板し急遽台本が書き換えられた件。
この時、私生活でもRDJと交際していたアリー役のキャリスタと同じくらい、私はショックに打ちのめされた。
そりゃショックで、キャリスタもハリソン・フォードと付き合うで、と思った。別にいいけど。
私もラリーにときめいていたし、メガネのラリー、スティングの歌を歌うラリー、メガネを外すラリーにもう毎週夢中だった。
それなのに、降板って何やねん。
20代前半の私はさめざめと泣いた。
そして、薬物を憎んだ。
こんなに薬物を憎んだことは後にも先にもこの時だけだ。RDJ、せめてこのドラマが終わってから逮捕されてくれよと憎んだ。
二人が結ばれるはずだったストーリーが突然変更になって、どう見てもラブラブだったのに、ラリーが何も言わずに突然姿を消したという話に変わってしまって、そこから次の最終シーズンはグダグダだった。
その後の恋のお相手としてボンジョヴィが出てた気がするが、もう記憶にない。
RDJが降板してからの最終シーズンのDVDは腹が立つので捨てた。
すまんボンジョヴィ、イッツマイライフ。
RDJは映画「アイアンマン」で華麗にカムバックしたけど、私はキャリスタが許しても絶対許さない!と思いながら、でもやっぱりRDJは未だに格好良くて惹かれてしまう。すごく悔しい。
しめちゃんも「そんなこと言ったら、私だってプリズンブレイクのあの彼が、実生活ではゲイだったって知った時はどれだけ悲しかったか!」と言う。ゲイじゃなければ自分と結ばれる可能性があったと思っていたのだろうか。
ふふふ。
私たちは、いささか真剣に海外ドラマを見すぎている。
思春期くらいからビバヒルを毎週見てきて、それから今に至るまでずっと何らかの海外ドラマを見続けて生きている。
日本のドラマもたくさん見ているが、海外のドラマと比べると、設定の陳腐さとか芝居の下手さとか(しめちゃん談)、スケールの小ささ、キスシーンの下手さ、ラブシーンの思い切りのなさ、色んな海外ドラマのパクリな感じとかが、手に取るように分かってしまう。
それでも文句を言いながら日本のドラマを見ている。
何してたって結局山のように文句の出る私たちなので当然と言えば当然だけど。
私たちはこうやって海外ドラマを数々見てきて大人になったと言うか、もう大人になってたけど、大人の時間に常にたくさんの海外ドラマがあった。
そしてこれからも、何かの海外ドラマがあればいい。
まったく忙しいことである。
それでも私にとって「アリー My Love(All McBeal)」は最も特別なドラマ。
20代の頃、土曜の深夜に毎週NHKで見て、元気をもらったし泣いたし笑ったし考えた。
歌のシーンも好きでサントラも持ってるし、DVDは宝物。
出てくるキャラ全員好き。