仕事のスピードが上がりすぎた時の対処法 (私限定)
noteを書く時間が全くないここ数日間であった。
オミクちゃん(私の友達ではなく世を騒がせている株のことです)の打撃がデカすぎて、ただただ無我夢中でフル回転に働いていた。
岸やん(私の友達ではなく日本の代表の人です)の毎日の動向や発言に注意し、濃厚接触者の待機期間の短縮やらの日々変わる国の方針、「エッセンシャルワーカー」などという、エッセンシャルってシャンプーちゃうんかいなという、聞いたこともない単語の出現に全速力で反応し、指示を出したり、穴を埋めたり、先回りして先手先手を打っていたら、自分の仕事の処理スピードが手が付けられないくらいに加速していった。
最初はそれで良かった。
初動の対応が速ければ速いだけ消火も早いし、オミクちゃんのスピードに対抗するにはこちらのスピードを上げるしかなかったのだが、PCR検査の結果が5日後だとか、保健所からの連絡が全然来ないとか、行政すべてが後手後手になっていて、だんだんと「オミクちゃん勢力VS人間による封じ込め」対決はスピード感の違いから全く勝ち目がないのが目に見えてきたのである。
そんな間にも私のアドレナリンはまだまだぶち上がりで、先手を打ちすぎてどこまで打ってるのか訳が分からなくなり足がもつれた。
自分の仕事のスピードに自分がついていけなくなったのである。
もちろん職場のほとんど誰もがとっくについてこれていない。
他の人のやってることが2日遅いなぁと思ってイラつくことがよくあったが、私が2週間くらい先を突っ走っていたから当然だった。
これは仕事の精度の話ではなく、あくまで処理速度限定の話なのだが、迷惑なことに、レベル違いに私のスピードが上がってしまって、もう誰も手が届かない場所にいる天上の人みたいになってきてしまった。ねぇのりまきさーん、どこ走ってるんですかー?という声すら届かない場所へ。
スピードを上げても上げてもオミクちゃんの威力は収まらないし、行政のスピードが遅すぎて待ちの時間が多すぎるし、イラつくことも増える。
私のこの行き場のない、あれもやらねば、これもしておこう、ええ!そんなことになったんか、えらいこっちゃ、こう対処しよう、こういうケースも想定して動いておこう、今からこれもしておかねば、的な超高速フル回転。
一度マッハになったスピードをどうしたらゆっくりに戻せるのかがもはや分からなかった。
ギリギリ空回りはしていなかったが、職場で空回りする人間にだけはなりたくないぜといういつもの強い思いも空回りそうだった。このままだと何かヤバいミスをやらかしそうな気がする。
業務上のえげつない局面の連続で熟睡度も落ちてきているし(それでも平均7時間は寝ているけどね)、これではいかんと思い、職場の時空を元に戻すために、自分を鎮めるために、世界平和のために、この物凄いエナジーのアドレナリンを別のことに向けることにした。
そんな訳で私のアドレナリンは
ヒンディー語の「デーヴァナーガリー文字」の習得に向けた。
なんで。
予想外過ぎて自分でも(おそらく自分以外の人ももちろん)なんでなのかは分からないが、前々からヒンディー語に対して、トライしてはすぐに挫折したり諦めたりして、結局「オーム」の文字しか分からないままだった自分にふがいなさを感じていたのである。
インドが好きだとか言って、あの棒線とカーブやらマルでできた謎の模様のような文字の配列を全く読めないままなのが、いつもどこか悔しかった。
この壁を突破することに、私の今持て余しているみなぎる力をすべて注いでみることにした。
そうすることで、うまくいけばデーヴァナーガリー文字の壁を突破できるし、うまくいかなくても私のこのフルスロットルも落ち着くはず。
謎の勝負に出てみた。
そして、休日を含めたおよそ5日間ほどで、なんと、細かい結合文字も含めて、ほぼ全てのデーヴァナーガリー文字を覚えることができたのである。
なんで。
頭の出来が良すぎるぜという自画自賛はここでは控えるとして、どうせなかなか眠れないからと、家でDuolingo(言語習得のアプリ)をちまちまとやり続けていたら、数学の公式と同じで、ルールさえ掴めばこれまで分からなかったものがクリアになっていくという久しぶりの感覚が楽しくなってきて、今度は別の変なアドレナリンが分泌してきて、もう何時間も問題を解き続けていて最後は笑いながら文字を覚えていた。
(余談だが、分かる人には分かると思うが、これはメンタル崩壊ギリギリアウトの、躁転状態に近い。だが、私は時々こういうことをしてバランスを取る変な人なのである。私は慣れているが、素人は危険なのでくれぐれも真似しないで欲しい。寝た方がいいよこういう時は。)
デーヴァナーガリー文字をマスターした私は、これまで何気なく撮ってきたインドの写真に、意味不明な模様として写り込んでいた例のあの文字が読めるようになっていったのである。
感動。
ただの模様だった背景の一部が、意味不明のワードとなって喋りかけてくるような感覚。面白い。
しかし、まだ、平仮名の「れ」と「わ」と同じように、形がめちゃくちゃ似ているものとか、書き方の癖で視認性が落ちたりなどはある。
だから逆の立場として、外国人のためにもちゃんと正確に日本語を書こうと心に誓った。それくらい癖字は世界規模で迷惑である。
字は正確に書く。みんなも大切だから覚えておいて欲しい。
(アルファベットのヒントのおかげもあるが、この写真たちのデーヴァナーガリー文字が嘘みたいにスルスルと読めるようになった!
次にインドに行った時、絶対これまでよりも面白くなると思う。)
デーヴァナーガリー文字を読めるようにはなったが、書くのはまだまだ難しい。
なんでそっちを書いてからこっちの棒を書くの?続けてこっちを書いた方が書きやすくないか?などの謎多き書き順、なにそのカーブみたいな曲線の連なり。全然上手く書けない。
そして、ヒンディー語のマスターにデーヴァナーガリー文字は別に書けなくて良いよ説もある。アルファベットを使う場面が多いから覚えなくてもいいという意見が多い。
だけど面白いからデーヴァナーガリー文字を書きたいし読みたい。そしてわざわざ「デーヴァナーガリー文字」って書きたいし言いたい。
なお、読めても意味はまだ全く分からない。
インド映画によく出てくる「イシュク」が「愛」とかそういう単語は意味が分かるが、まだまだ全く意味不明言語であることには間違いない。
だけど、読めるようになったということだけで、私の頭の中で文明開化の音がキャーハェと鳴っている。
私、いったい何してるの。
スペイン語はどうなった?
いやそもそも英語力アップに力を入れろよ。
いやはよ寝て仕事に備えろよ。
そんな時間があるなら白のガスコンロの汚れを落とした方がいいんじゃねえの?
などという自分自身の邪念からも離れることができるデーヴァナーガリー文字習得の時間。
最高である。
あまりにすぐに身についたからすぐに忘れてしまうことも予想されるが、今はとても満足している。
大好きなインドに近づいているような気もするし、インドと繋がれているような気持ちにもなれる。
そんな訳で、ここ最近はオミクちゃんが大暴れして忙しすぎるのでヒンディー語のデーヴァナーガリー文字を頭の中に詰め込んで、オーバーヒート気味の脳を冷やしたという私の近況。
おかげで少しは仕事のスピードは落とせた。
このまま何とか落ち着いて、岸やんや吉村ちゃんが決めたことに従って粛々と動いて、よく寝て、オミクちゃんがピークアウトする日まで、岸やんらとともに力を合わせて乗り切ろうと思う。
メェン・ティケ・フーン!